「スーパーグレートは乗り心地がいまいち…」
「サスペンションが硬くて長距離は疲れる」
「標準シートが体に合わない」
など、さまざまな声を聞きます。
仕事の相棒となるトラック選びは、業務効率やドライバーの健康を左右する重要な決断です。
しかし、ご安心ください。
本記事では、現役ドライバーのリアルな口コミ評判から、よくある故障、維持費まで、スーパーグレートの全てを網羅的に解説します。
この記事を読むことで、スーパーグレートの真の評価を知ることができ、安心してあなたに最適な一台を選ぶことができるようになります。
記事のポイント
- 悪い口コミ評判の真相
- よくある故障と対策
- 良い口コミ評判の実態
- グレードごとの違い
- 10年落ちでも高く売れる理由
乗り心地は悪い?スーパーグレートの「悪い口コミ評判」
三菱ふそうのフラッグシップモデルであるスーパーグレートには、多くの良い評価があります。
しかし、一部のドライバーからは乗り心地に関する厳しい意見も寄せられているのが実情です。
- 硬いサスペンションと突き上げ感
- 標準シートへの不満の声
- エンジン音と室内の静粛性
特に長距離を運転するプロのドライバーにとって、乗り心地は疲労に直結する重要な要素です。
ネガティブな口コミの具体的な内容を、くわしく見ていきましょう。
硬いサスペンションと突き上げ感
乗り心地に関する悪い口コミで、最も多く見られるのがサスペンションに関する指摘です。
「サスペンションが少し硬い印象で、路面の凸凹を過敏に拾ってしまいます」との声が複数あります 。
- 路面の凹凸を拾いやすい
- 特にリアからの突き上げ感が強い
- 長時間の運転で疲労がたまりやすい
この硬めの足回りは、積載時の安定性を重視した設計思想の表れかもしれません。
しかし、空車時や路面状況が悪い道では、ゴツゴツとした乗り心地に繋がることがあるようです。
標準シートへの不満の声
サスペンションと並んで、ドライバーの体に直接影響するのがシートの性能です。
一部のユーザーからは「傾いて真っ直ぐ座れない拷問シート」といった辛辣な評価も出ています 。
- シートのホールド性が低い
- 長時間の着座で腰が痛くなる
- すぐにレカロなど社外品に交換した
特に標準グレードのシートに対して不満を持つドライバーは少なくないようです。
純正シートに穴が開き、フレームが剥き出しになってしまったため交換したという事例も報告されています 。
エンジン音と室内の静粛性
スーパーグレートに搭載されているエンジン、特に6R10型について騒音を指摘する声があります。
「ガラガラうるさい6R10」という口コミもあり、静粛性を重視するドライバーには気になるかもしれません 。
- エンジンからのメカニカルノイズ
- キャビンへの振動の伝わり
- 純国産メーカーのトラックに劣る静粛性
専門家によるレビューでも、欧州系のトラックは静粛性において純国産ブランドに一歩譲る印象があるとされています 。
ダイムラー社製のエンジンを搭載していることが、この特性の一因と考えられます。
スーパーグレートの「よくある故障と対策」
トラックを運用する上で、故障のリスクと修理費用は避けて通れない問題です。
スーパーグレートは頑丈なエンジンに定評がある一方、特定の箇所で故障が報告されています。
- リコール多発?トランスミッションと電気系統
- MCM制御ランプ点灯とインジェクター問題
- 日常点検で防げる故障とメンテナンス費用
ここでは、よくある故障事例とその対策、そして万が一の際の費用について解説します。
くわしく見ていきましょう。
リコール多発?トランスミッションと電気系統
スーパーグレートは過去に複数回、大規模なリコールを届け出ています。
例えば、排出ガス発散防止装置の不具合で約3万1000台 、電気装置や制動装置の不具合で約8万台が対象となりました 。
- AMT(シフトパイロット)のシフト不良
- 電気系統(CGW)の不具合
- 排出ガス発散防止装置(ACMブラケット)の不具合
特に自動変速機であるAMT(シフトパイロット)は「全部失敗作」と酷評されることもあり、注意が必要です 。
エア供給の不具合によるシフト不良などが報告されており、運行前のエア圧確認が重要になります 。
MCM制御ランプ点灯とインジェクター問題
メーターパネルに「MCM制御」の警告灯が点灯するのは、スーパーグレートでよく聞かれるトラブルです。
この警告灯が点灯する原因の約90%は、燃料系統、特にインジェクターの不具合とされています 。
- 燃料系統のエラーを検知して点灯
- 原因のほとんどはインジェクターの不具合
- 6R10エンジンは過去3回インジェクターのリコールあり
走行中に点灯しても、白煙や黒煙、エンジンが吹けないといった症状がなければ、すぐに停車する必要はありません 。
エンジンを5分から10分停止すると一時的に消灯することがありますが、根本的な解決にはならないため、早めに整備工場で診断を受けましょう 。
日常点検で防げる故障とメンテナンス費用
路上故障の多くは、日々の点検で未然に防ぐことが可能です。
バッテリー上がりやタイヤのパンク、エア圧の低下は、路上故障の上位を占めるトラブルです 。
- バッテリー液量の確認
- タイヤの空気圧と亀裂の点検
- ファンベルトの張り具合と損傷の確認
万が一、エンジンやトランスミッションといった主要部品が故障した場合、修理費用は非常に高額になります。
エンジンの載せ替えには約550万円 、トランスミッションの載せ替えには約480万円かかるケースもあり、保証プランへの加入も検討すべきでしょう。
故障箇所 | 症状 | 修理費用目安 | 対策・予防策 |
インジェクター(MCMランプ点灯) | エンジン吹け不良、白煙・黒煙 | 約50万円以上(リビルト品活用で削減可) | 定期的な診断機でのチェック、リコール情報の確認 |
AMT(シフトパイロット) | シフト不良、走行不能 | 約480万円(載せ替えの場合) | 運行前のエア圧確認、サプライバルブの定期点検 |
バッテリー | エンジン始動不可 | 数万円〜 | 日常的な液量・端子の点検 |
タイヤ | パンク、バースト | 1本3〜4万円+工賃 | 運行前の空気圧・亀裂・異物の確認 |
Google スプレッドシートにエクスポート
スーパーグレートの「良い口コミ評判」
ここまでネガティブな側面にも触れてきましたが、スーパーグレートにはそれを補って余りある魅力があります。
多くのドライバーから高く評価されているポイントも数多く存在します。
- 乗用車のような安定した走行性能
- 疲労を軽減するエアサスシートと内装
- 進化した最新モデルの乗り心地
特に走行性能やドライバーの快適性を追求した設計は、長距離輸送の現場で大きなメリットとなります。
良い口コミ評判の具体的な内容を、くわしく見ていきましょう。
乗用車のような安定した走行性能
スーパーグレートの大きな魅力として、多くのドライバーが走行性能の高さを挙げています。
「まるで乗用車に乗っているような」と表現されるほど、走行状態が常に安定しているのが特徴です 。
- パワフルな走りとスムーズな加速
- 高速走行時の優れた直進安定性
- ストレスを感じさせない快適な運転感覚
特に2017年以降のモデルでは静粛性が大幅に向上し、時速80km走行時の体感騒音は従来型より30%以上静かになったとの評価もあります 。
力強いエンジンと安定した足回りが、ドライバーの疲労軽減に大きく貢献します。
疲労を軽減するエアサスシートと内装
標準シートには厳しい意見もありますが、オプション設定されているエアサスシートの評価は非常に高いです。
「上質な乗り心地でドライバーの疲労を軽減します」というメーカーの説明通り、快適な座り心地を提供します 。
- 衝撃を吸収するエアサスペンションシート
- 常に最適な装着感が得られるベルトインシート
- 機能的に配置されたスイッチ類
シートベルトを背もたれに内蔵した「ベルトインシート」も特徴の一つです 。
シートをリクライニングさせたり上下させたりしても、常にシートベルトが体にフィットし、安全性と快適性を両立しています 。
進化した最新モデルの乗り心地
スーパーグレートはモデルチェンジを重ねるごとに、乗り心地を大きく進化させています。
特に現行モデル(17スーパーグレート以降)は、乗り心地の評価が格段に向上しました。
- リアの突き上げ感の大幅な改善
- 高級車のようなしっとりとした足回り
- スムーズで自然なフィーリングの多段オートマ
旧型で指摘されていた「リアの突き上げ感が感じられなくなった」との声や 、「足回りは高級車のようなしっとりとした乗り心地」との試乗レポートがあります 。
三菱ふそうがドライバーの声に耳を傾け、着実に改良を続けていることがわかります。
スーパーグレートの「総合評価」
スーパーグレートは、長所と短所が比較的はっきりしているトラックと言えるでしょう。
そのため、ドライバーによって評価が大きく分かれる傾向にあります。
- 口コミサイトでの評価点
- エンジンの信頼性と先進技術の課題
- ドライバーの評価を分けるポイント
ここでは、各種口コミサイトの評価点を参考にしつつ、総合的な評価をまとめます。
スーパーグレートの本質的な価値を、くわしく見ていきましょう。
口コミサイトでの評価点
複数の大手中古車情報サイトでは、スーパーグレートは高い総合評価を得ています。
Goo-netのユーザーレビューでは、5点満点中4.0点という高評価です 。
- Goo-net総合評価:4.0点
- カーセンサー総合評価:4.0点
- 走行性能や内装の評価が高い
項目別に見ると、走行性能(4.3点)や内装(4.3点)が高く評価されています 。
カーセンサーの口コミ評価でも、同様に総合4.0点となっており、安定した評価を得ていることがわかります 。
エンジンの信頼性と先進技術の課題
スーパーグレートの評価を紐解くと、一つの興味深い傾向が見えてきます。
それは、エンジン本体の信頼性は高く評価される一方で、周辺の先進技術に課題が集中している点です。
- 「超絶」と評されるエンジンの耐久力と信頼感
- AMTや電子制御システムに集中する不具合
- 頑丈な心臓部と、繊細な手足の組み合わせ
あるベテランドライバーはAMTやシートを酷評しつつも、エンジンの耐久性は「それらを補って余りある」と絶賛しています 。
この二面性が、スーパーグレートというトラックのキャラクターを象徴していると言えるでしょう。
ドライバーの評価を分けるポイント
最終的にスーパーグレートの評価を分けるのは、ドライバーが何を重視するかという点に尽きます。
パワフルな走りやエンジンの頑丈さを最優先するドライバーにとっては、多少の乗り心地の悪さや故障リスクは許容範囲かもしれません。
- 走行性能を重視するか、快適性を重視するか
- 先進安全装備を高く評価するか、故障リスクを懸念するか
- 選択するグレードによる乗り心地の大きな違い
一方で、日々の快適性や故障によるダウンタイムを避けたい事業者にとっては、AMTやインジェクターの信頼性が懸念材料となります。
エアサスシートが装備される上級グレードを選ぶか否かでも、乗り心地の印象は全く異なるものになるでしょう。
スーパーグレートの「基本情報」
ここでは、スーパーグレートを理解する上で基本となる情報をまとめます。
エンジンやトランスミッション、グレード構成といった主要なスペックです。
- 選べる2種類のエンジン
- 12段AMT「ShiftPilot」
- 4つの主要グレード
これらの基本情報を知ることで、スーパーグレートの多様なラインナップを理解しやすくなります。
くわしく見ていきましょう。
選べる2種類のエンジン
現行のスーパーグレートには、主に2種類の排気量のエンジンがラインナップされています。
軽量化と燃費向上を両立させた、パワフルかつ経済的なエンジンです 。
- 6R20型エンジン(総排気量10.7L)
- 6R30型エンジン(総排気量12.8L)
- 低燃費とパワフルな走りを両立
最新モデルでは、新開発の12.8Lの6R30型エンジンが主力となっています 。
これにより、より力強い走りと優れた燃費性能を実現しています。
12段AMT「ShiftPilot」
トランスミッションは、12段電子制御式オートマチック・マニュアル・トランスミッション(AMT)の「ShiftPilot」が標準です 。
クラッチ操作が不要なため、ドライバーの運転負担を大幅に軽減します 。
- 12段電子制御式AMT
- ドライバーの疲労を軽減
- 一部車型にはマニュアルトランスミッションも設定
その一方で、信頼性については厳しい意見もあり、評価が分かれるポイントとなっています 。
一部の車型には、MT車専用グレード「クラシック」としてマニュアルトランスミッションも設定されています 。
4つの主要グレード
スーパーグレートには、装備内容に応じて主に4つのグレードが設定されています。
ドライバーのニーズや用途に合わせて、最適な一台を選ぶことが可能です 。
- エコ・ライン:装備を簡素化した経済性重視モデル
- プロ・ライン:実用装備を充実させた標準モデル
- プレミアム・ライン:内外装を豪華にした上級モデル
- エグゼクティブ・ライン:快適機能をフル装備した最上級モデル
ベーシックな「エコ・ライン」から、まるで高級乗用車のような「エグゼクティブ・ライン」まで、幅広い選択肢が用意されています 。
スーパーグレートの「魅力」
スーパーグレートが多くのドライバーや事業者に選ばれるのには、確かな理由があります。
ここでは、その主な魅力を3つのポイントに絞ってご紹介します。
- 業界をリードする先進安全装備
- ドライバーの疲労を軽減するコックピット
- 高い燃費性能と経済性
安全性、快適性、経済性の三拍子が揃っている点が、スーパーグレートの大きな強みです。
くわしく見ていきましょう。
業界をリードする先進安全装備
スーパーグレートは、業界をリードする数々の先進安全装備を搭載しています。
国内大型トラックで初めて、運転自動化レベル2の高度運転支援機能を搭載したことも大きな話題となりました 。
- アクティブ・ブレーキ・アシスト:衝突被害軽減ブレーキ
- アクティブ・サイドガード・アシスト:左折時の巻き込み事故を防止
- アクティブ・ドライブ・アシスト:車線維持と車間距離をサポート
これらのシステムは、ドライバーの運転操作を支援し、事故のリスクを低減します 。
日々の運転における精神的な負担を軽くする効果も期待できます。
ドライバーの疲労を軽減するコックピット
長時間を過ごす運転席周りの快適性は、スーパーグレートが特に力を入れている部分です。
機能性と質感を両立させたコックピットは、ドライバーの疲労軽減を第一に考えて設計されています。
- 手元で操作が完結するステアリングスイッチ
- 視認性の高いマルチファンクションモニター
- エアサスシートやベルトインシートによる快適性
ステアリングから手を離さずに各種操作ができるスイッチ類や 、大容量の収納スペースなどが、快適な運転環境を実現します 。
ドライバーのことを考え抜いた設計思想が、随所に見て取れます。
高い燃費性能と経済性
運送事業者にとって、燃料費は経営を左右する重要なコストです。
スーパーグレートは、優れた燃費性能で経済的な運行に貢献します。
- 軽量・高効率なエンジンを搭載
- 2025年度重量車燃費基準(JH25モード)に適合
- アイドリングストップ&スタートシステムを標準装備
ある試乗テストでは、カタログ燃費値の約94%にあたるリッター4.20kmを記録しました 。
空力特性に優れたキャブデザインなども、日々の燃料コスト削減に繋がります 。
スーパーグレートの「メリット&デメリット」
ここまで解説してきた内容を、メリットとデメリットという形で整理します。
スーパーグレートの購入を検討する上で、重要な判断材料となるでしょう。
- メリット
- デメリット
これらのポイントを総合的に比較し、あなたのニーズに合っているかを見極めてください。
くわしく見ていきましょう。
メリット
スーパーグレートの主なメリットは、走行性能、安全性、そして経済性に集約されます。
他社のライバル車種と比較して、車両価格が比較的手頃な点も大きな魅力です 。
- パワフルで安定した高い走行性能
- 業界トップクラスの先進安全装備
- ライバル車より比較的安価な車両価格
- 優れた燃費性能による経済性の高さ
特に安全性能への投資は惜しみなく行われており、ドライバーと会社を守るという点で大きな安心感があります 。
初期投資を抑えつつ、高い走行性能と安全性を求める事業者にとって、有力な選択肢となるでしょう。
デメリット
一方で、スーパーグレートにはいくつかの明確なデメリットも存在します。
特に乗り心地と、特定のコンポーネントの信頼性については注意が必要です。
- 硬いサスペンションによる乗り心地の悪さ
- AMTやインジェクターの信頼性への懸念
- 故障時の高額な修理費用
- ライバル車に比べてやや劣る静粛性
標準シートの評価が低いことや 、AMTやインジェクターに故障が集中する傾向があること は、購入前に必ず認識しておくべき点です。
保証が切れた後の高額な修理リスクも、デメリットとして挙げられます 。
スーパーグレートが「おすすめの人」
スーパーグレートは、その特性から「万人受けする」というよりは、特定のニーズを持つ人に強くおすすめできるトラックです。
ここでは、どのような人にスーパーグレートが向いているのかを解説します。
- 最新の安全性能を重視する事業者
- 初期投資を抑えたい長距離ドライバー
- 整備知識がありコスト管理ができる人
あなたがこれらのタイプに当てはまるなら、スーパーグレートは最高のパートナーになる可能性があります。
くわしく見ていきましょう。
最新の安全性能を重視する事業者
ドライバーの安全を第一に考え、万が一の事故を未然に防ぎたい事業者にとって、スーパーグレートは最適な選択です。
搭載されている先進安全装備は、業界でもトップクラスの水準を誇ります 。
- 事故防止に繋がる先進安全装備を求める方
- ドライバーの運転負担を軽減したい方
- 企業のコンプライアンスやリスク管理を重視する方
衝突被害軽減ブレーキや巻き込み防止支援システムは、ヒューマンエラーによる悲惨な事故を防ぐ上で非常に有効です。
安全への投資を惜しまない経営者の方に、強くおすすめします。
初期投資を抑えたい長距離ドライバー
スーパーグレートは、日野プロフィアやいすゞギガといったライバル車種に比べて、車両本体価格が300万円ほど安いと言われています 。
独立したばかりの個人事業主など、初期投資をできるだけ抑えたい方には大きなメリットです。
- 購入時のコストを抑えたい方
- 長距離運行が多く、燃費を重視する方
- パワフルな走りで快適に移動したい方
優れた燃費性能も、日々のランニングコスト削減に直結します 。
経済性を重視しつつ、長距離を快適に走破できるパワフルなトラックを求めるドライバーにぴったりです。
整備知識がありコスト管理ができる人
スーパーグレートと長く付き合っていく上では、ある程度の整備知識が役立ちます。
MCM制御ランプの点灯など、特有のトラブルの予兆を理解していると、大きな故障を未然に防ぐことができます 。
- トラックのメカニズムにある程度詳しい方
- 日常点検をしっかり行える方
- リビルト品を活用するなど、修理費用を賢く抑えられる方
インジェクターの交換が必要になった際に、高価な新品ではなくリビルト品を選択するなど、コスト管理の工夫ができる人に向いています。
車両の状態を把握し、計画的にメンテナンスを行える方であれば、スーパーグレートの真価を引き出せるでしょう。
スーパーグレートの「注意点」
スーパーグレートを所有し、安全かつ経済的に運用していくためには、いくつか知っておくべき注意点があります。
維持費、特有の故障、そして日々のメンテナンスに関するポイントです。
- 年間170万円以上?高額な維持費
- 6R10エンジンのリコールとMCMランプ
- 日常点検の重要性とポイント
これらの注意点を事前に把握しておくことで、予期せぬ出費やトラブルを避けることができます。
くわしく見ていきましょう。
年間170万円以上?高額な維持費
大型トラックの維持費は、乗用車とは比較にならないほど高額です。
スーパーグレートの場合、税金や保険、燃料費、メンテナンス費用などを合わせると、年間で170万円から180万円ほどかかると試算されています 。
- 自動車税・自動車重量税
- 自賠責保険・任意保険(年間40万円程度)
- 燃料費、メンテナンス費、タイヤ交換費(1台分で30〜40万円)
特にタイヤ交換は一度にまとまった出費となります 。
オイル交換などの定期的なメンテナンス費用も軽視できません。購入前に年間の維持費をしっかり計画しておくことが重要です。
6R10エンジンのリコールとMCMランプ
特定のエンジン型式、特に6R10型を搭載したモデルには注意が必要です。
このエンジンは過去にインジェクター関連で3回のリコールを出しており、最悪の場合はエンジン部分から出火する事例も確認されています 。
- 6R10エンジンのリコール情報を確認する
- MCM制御ランプの点灯を放置しない
- 異常を感じたらすぐに専門家による診断を受ける
MCM制御ランプが点灯した際は、インジェクター不具合のサインである可能性が非常に高いです 。
一時的に消灯しても問題が解決したわけではないため、必ずディーラーや整備工場で診断機による点検を受けてください。
日常点検の重要性とポイント
高額な修理費や路上でのトラブルを避けるために、最も効果的なのが日常的な運行前点検です。
道路運送車両法で義務付けられているだけでなく、愛車のコンディションを保つ上で不可欠です 。
- ファンベルトの張り具合と損傷
- タイヤの空気圧(冷えている時に点検)
- バッテリー液の量と端子の腐食
特にファンベルトの緩みはオーバーヒートや充電不良に 、タイヤの空気圧不足はバーストに繋がる危険な状態です 。
簡単な点検を習慣づけることが、結果的に大きなコスト削減と安全確保に繋がります。
【知らないと損】10年落ちのトラックでも”驚きの高値”がつくワケ
「もう10年も乗った古いトラックだから、値段なんてつかないだろう」と思っていませんか?
実は、その考えは大きな間違いです。スーパーグレートは10年落ちでも驚くような高値で買い取られることがあります。
- 海外での圧倒的な需要
- 部品としての価値
- 10年落ちスーパーグレートの買取相場
なぜ古いトラックに価値があるのか、その理由を知れば、あなたの愛車を正当な価格で手放すことができます。
くわしく見ていきましょう。
海外での圧倒的な需要
中古トラックが高値で取引される最大の理由は、海外での旺盛な需要です。
特に東南アジアやアフリカ、中東などの新興国では「日本の中古トラック=壊れにくい」という絶大な信頼があります 。
- 日本製トラックへの高い信頼性
- 走行距離50万km以上でも需要がある
- 悪路に強い高床トラックは特に人気
日本では過走行と見なされるような車両でも、海外ではまだまだ現役で活躍できると評価されます 。
この海外需要が、国内の中古トラック相場を力強く下支えしているのです。
部品としての価値
たとえ車両として再販が難しい状態であっても、トラックは「部品の塊」として価値を持ちます。
エンジンやトランスミッション、キャビン、荷台など、一つ一つの部品が商品となるのです 。
- 耐久性の高いエンジンやミッション
- 海外での修理用部品としての需要
- 事故車や不動車でも価値が残る
特に耐久性に定評のある日本製トラックの部品は、海外で高値で取引されます。
そのため、トラック専門の買取業者は、車両全体だけでなく、部品としての価値も見越して査定額を提示できるのです。
10年落ちスーパーグレートの買取相場
では、実際に10年落ちのスーパーグレートはいくらぐらいで売れるのでしょうか。
ある買取情報サイトによると、2015年式の買取参考相場は、147.3万円から1,061.0万円と非常に幅があります 。
- 10年落ちの買取参考相場:約147万円〜1,061万円
- 乗用車の10年落ち相場:約10万円〜40万円
- 車両の状態や仕様によって価格は大きく変動
10年落ちの乗用車の買取価格が10万円から40万円程度であること を考えると、いかにトラックの資産価値が高いかがわかります。
廃車にするしかないと思っていたトラックが、思わぬ高値になる可能性を秘めているのです。
よくある質問|スーパーグレートの「口コミ評判」について
- 17スーパーグレートの評判は?
- スーパーグレートは故障が多い?
- プロ・ラインの内装の魅力は?
- グレードの違いは?
- デザインはダサい?
- トラックの乗り心地を改善する方法は?
17スーパーグレートの評判は?
2017年に登場した現行モデル、通称「17スーパーグレート」の評判は非常に高いです。
特に乗り心地や静粛性が旧型から大幅に向上したと評価されています。
- 高級車のようなしっとりとした乗り心地
- 高速走行時の静粛性が大幅に向上
- パワフルでスムーズなエンジン性能
「リアの突き上げ感がなくなった」という声もあり、旧型の弱点を着実に克服しています 。
中古車市場でも人気が高く、スーパーグレートの購入を検討するなら、まず候補に挙げたいモデルです。
スーパーグレートは故障が多い?
エンジン本体の耐久性は高い評価を受けていますが、特定の箇所で故障が多いという評判は事実です。
特にAMT(シフトパイロット)やインジェクター、電気系統のトラブルがよく報告されています 。
- 大規模なリコールが複数回実施されている
- AMTとインジェクターが弱点とされる
- MCM制御ランプの点灯は要注意
ただし、これらの故障の多くは日常点検や予防整備でリスクを低減できます。
弱点を理解し、適切にメンテナンスを行うことが、スーパーグレートと長く付き合うコツです。
プロ・ラインの内装の魅力は?
プロ・ラインは、スーパーグレートの中で最も販売台数が多い標準グレードです 。
その魅力は、華美な装飾を排した、実用性と快適性のバランスの良さにあります。
- ドライバーの疲労を軽減するエアサスシートを装備
- 機能的にまとめられた運転席周り
- オーバーヘッドコンソールなどの十分な収納力
豪華さではプレミアム・ラインに及びませんが、プロの仕事道具として必要な機能は十分に備わっています。
ブラックを基調とした落ち着いた内装は、飽きがこず、長く使えるデザインです 。
グレードの違いは?
スーパーグレートのグレードは、主に装備の充実度によって分けられています。
大きく分けて、経済性重視の「エコ・ライン」、標準の「プロ・ライン」、豪華仕様の「プレミアム・ライン」、最上級の「エグゼクティブ・ライン」の4種類です 。
グレード | 主な特徴 | シート | 内装パネル |
エコ・ライン | 装備を簡素化した仕様 | ビニールレザー | – |
プロ・ライン | 実用的な標準仕様 | ファブリック | – |
プレミアム・ライン | 豪華装備の特別仕様 | ファブリック | 黒木目調 |
エグゼクティブ・ライン | 最上級の快適仕様 | 本革 | 本木目 |
※仕様は年式により異なる場合があります。
ヘッドライトの種類や内装の素材、収納スペースの量などが主な違いです 。
用途や予算に合わせて最適なグレードを選ぶことが重要です。
デザインはダサい?
デザインの好みは主観的なものですが、専門家からの評価は総じて高いです。
「シンプルな機能美を感じさせる」と評され、欧州トラックのような洗練された雰囲気を持つとされています 。
- 威圧感を与えすぎない洗練されたフロントフェイス
- 欧州トラックのような機能美
- 奇抜さよりも長く使える普遍的なデザイン
一部には「新鮮さに欠ける」という意見もありますが 、街に溶け込む働き者としての存在感をうまく表現したデザインと言えるでしょう。
特に近年のモデルは、奇抜なデザインで個性を主張しています 。
トラックの乗り心地を改善する方法は?
トラックの乗り心地は、いくつかの工夫で改善することが可能です。
最も効果的なのは、体に直接触れるシートを交換することです 。
- 座席をレカロなどの高機能シートに交換する
- サスペンションの消耗部品(ショックアブソーバーなど)を交換する
- タイヤの空気圧を適正に保つ
サスペンションの消耗も乗り心地の悪化に繋がるため、定期的な点検と部品交換が有効です 。
また、荷物の積み方を工夫して重心のバランスを整えるだけでも、走行安定性は向上します 。
まとめ|スーパーグレートの「口コミ評判」について
本記事では、三菱ふそうスーパーグレートの口コミ評判について、多角的に解説しました。
- 乗り心地:走行安定性は高いものの、硬い足回りと標準シートには不満の声も。評価は二分される。
- 故障:エンジン本体は頑丈だが、AMTやインジェクターなど先進技術部分に故障が集中する傾向がある。
- 評価:口コミサイトでの総合評価は高い。しかし、長所と短所が明確なため、乗り手を選ぶトラックと言える。
- 魅力:業界をリードする先進安全装備と、ドライバーの疲労を軽減するコックピット設計は大きな強み。
- 価値:国内での信頼性への懸念とは裏腹に、海外需要が高くリセールバリューは非常に高い。
スーパーグレートは、確かに乗り心地や信頼性において、いくつかの課題を抱えています。
しかし、それを上回る走行性能、安全性、そして経済性を備えた、魅力的なトラックであることもまた事実です。
この記事で得た知識をもとに、ぜひ一度、実車に触れてみてください。
その力強い走りと洗練されたコックピットは、きっとあなたの仕事を力強くサポートする最高のパートナーとなり得るでしょう。