「スカニアはデザインは最高だけど、故障が心配」
「外車だから修理費が高そう」
「部品の調達に時間がかかると聞いた」
といった声が聞こえてきます。
スタイリッシュな見た目と性能に惹かれつつも、信頼性への不安から導入をためらう方も少なくありません。
もし本当に故障が多く、修理に時間と費用がかかるなら、事業の収益に深刻な影響を与えかねません。
しかし、ご安心ください。
本記事では、スカニアの故障における評判の真相、具体的な故障事例と対策、そして維持費までを徹底解説します。
この記事を読むことで、スカニアの信頼性を知ることができ、安心してスカニアの導入を検討できるようになります。
記事のポイント
- スカニアの故障は本当か?
- 故障といわれる背景と理由
- 具体的な故障事例と対策
- 修理費用とメンテナンス
- 中古車購入の注意点
スカニアに「故障が多い」のは本当か?
スカニアの故障に関する評判は、多くのドライバーや事業主が気にする点です。
結論から言うと、現在のスカニアは「圧倒的に故障が少ない」と評価されています 。
- 結論:故障は「少ない」が特定の問題も
- ユーザーの声から見る信頼性
- 過去のイメージと現在の実情
ただし、過去のモデルには特有の弱点があったことも事実であり、評判の背景を理解することが重要です。
くわしく見ていきましょう。
結論:故障は「少ない」が特定の問題も
スカニアが故障しやすいというイメージは、必ずしも現状を正確に反映していません。
実際に運用する企業からは「スカニアの車両は圧倒的に故障が少ない」という声が上がっています 。
- 全体的な信頼性は高い
- 特定の部品に問題が集中する傾向
- 過去のモデルの印象が影響
一方で、かつてはエアドライヤーのような特定の部品に故障が頻発した歴史もあります 。
特定の問題が、全体の信頼性が低いという一般的なイメージにつながっていると考えられます。
ユーザーの声から見る信頼性
現場のドライバーや管理者からの評価は、スカニアの信頼性を判断する上で貴重な情報源となります。
ある運送会社では、24時間体制の運行管理者がいない中小企業にとって、故障の少なさは他社にはない大きなメリットだと感じています 。
- 圧倒的に故障が少ないという評価
- 優れた走行性能とエンジン効率
- 24時間体制がなくても安心
急な上り坂でも余裕をもって登れる走行性能や、DPFが綺麗に燃えることによる排気性能の維持も、信頼性の高さを裏付けています 。
日々の業務における安心感は、スカニアが選ばれる大きな理由のひとつです。
過去のイメージと現在の実情
「スカニアは故障が多い」という評判には、過去の部品供給体制の問題が大きく影響しています。
以前は、故障した際に「部品が届くのに1週間かかる」という状況も珍しくありませんでした 。
- 過去:部品調達に1週間かかることも
- 現在:全国に約30のサービス拠点を展開
- サポート体制は大幅に改善
しかし、現在スカニアジャパンは日本国内に約30のサービス拠点を構えています 。
かつての大きな懸念点であったサポート体制は、現在では大幅に改善されていると言えるでしょう。
スカニアに「故障が多いといわれる背景」
スカニアの故障に関する評判がなぜ生まれたのか、その背景にはいくつかの要因が考えられます。
単に車両の品質だけでなく、環境や過去の状況が複雑に絡み合っています。
- 日本特有の環境要因
- 過去の部品供給体制の問題
- 輸入車に対する先入観
これらの要因を理解することで、スカニアの信頼性についてより深く、そして正確に判断できます。
くわしく見ていきましょう。
日本特有の環境要因
欧州で設計されたスカニアにとって、日本の気候は時として過酷な条件となります。
特に日本の夏は湿度が高く、輸入トラックのエアドライヤー故障が頻発する原因のひとつとされています 。
- 高温多湿な日本の気候
- エアドライヤーへの負荷増大
- 設計思想と環境のミスマッチ
実際に、エアドライヤーの再生制御バルブの設計が不適切で、気密を保持できないというリコールも過去にありました 。
日本の環境が、特定の部品の寿命に影響を与えている可能性は否定できません。
過去の部品供給体制の問題
現在の充実したサービス網とは対照的に、過去の部品供給体制には課題がありました。
ユーザーからは、故障時に部品の到着を1週間待たなければならず、仕事に支障が出たという経験が語られています 。
- 部品入手に時間がかかった歴史
- ダウンタイムの長期化
- 競合他社との比較
当時はボルボなど他の輸入車メーカーの方が、入庫時点で部品が用意されていることが多く、対応の速さで差があったようです 。
この時間的なロスが、故障への不安を増大させる一因となっていました。
輸入車に対する先入観
国産トラックとは異なる設計思想も、故障が多いという印象につながった可能性があります。
かつての欧州車には「壊れたら直せばよい」という考え方があり、ある意味で「壊れて当たり前」と割り切られていた側面がありました 。
- 「壊れたら直す」という設計思想
- 国産車とのメンテナンス文化の違い
- シンプルな構造ゆえの個体差
この文化は、定期的なメンテナンスで大きな故障を防ぐ国産車の文化とは異なります。
部品供給の遅れと相まって、輸入車は壊れやすく手間がかかるという先入観を強めてしまったのです。
スカニアの「よくある故障と対策」
スカニアの信頼性は高いものの、注意すべき特定の故障事例は存在します。
しかし、原因と対策を事前に知っておくことで、多くのトラブルは予防可能です。
- エアドライヤーの不具合と湿気対策
- AdBlue(尿素SCR)システムの警告灯
- 灯火器類(LEDヘッドライト)の問題
ここでは代表的な3つの事例を取り上げ、具体的な対策について解説します。
くわしく見ていきましょう。
エアドライヤーの不具合と湿気対策
スカニアで最もよく知られた弱点が、エアドライヤー関連のトラブルです 。
日本の高温多湿な環境下では、乾燥剤の劣化が早く進み、ブレーキ系統の不具合につながる恐れがあります 。
- 原因:湿気による乾燥剤の劣化
- 症状:ブレーキの動作不良
- 対策:定期的な部品交換
エアドライヤーの耐用年数は約10万kmとされており、故障前の定期的な交換が最も効果的な対策です 。
消耗品と割り切り、計画的にメンテナンスを行うことが重要になります。
AdBlue(尿素SCR)システムの警告灯
AdBlue(アドブルー)の警告灯が点灯すると、ドライバーは不安になるかもしれません。
多くの場合、原因はAdBlueの残量低下で、残量が2.5%以下になるとエンジン警告灯も点灯します 。
- 原因:AdBlueの残量不足
- 症状:警告灯の点灯、エンジン再始動不可
- 対策:定期的な補充と予備の携帯
走行中に残量がなくなってもエンジンを切らなければ走行を続けられるため、落ち着いて最寄りのガソリンスタンドなどで補充しましょう 。
オイル交換時など定期的な補充を習慣づけることで、トラブルを未然に防げます。
灯火器類(LEDヘッドライト)の問題
近年、LEDヘッドライトに関するリコールが報告されています。
LEDが発する熱の影響で内部部品が早期に劣化し、ライトの照度が低下したり、光の色が変化したりする恐れがあるというものです 。
- 対象:2017年から2023年製造の1654台
- 原因:LEDの熱による内部部品の劣化
- 対策:リコールによる部品交換
この問題に対しては、スカニアジャパンがリコール対応を行っています。
対象車両は全車点検の上、必要に応じて対策品への交換が無償で実施されるため、オーナーは着実に対応することが求められます 。
スカニアの「修理費用(概算)」
輸入車であるスカニアの修理費用は、購入を検討する上での大きな関心事です。
国産車と比較して部品代が高くなる傾向はありますが、具体的な金額を知ることで冷静な判断が可能になります。
- 主要な消耗品の交換費用
- 故障箇所別の修理費用の目安
- 国産トラックとの費用比較の考え方
ここでは、一般的な修理や部品交換にかかる費用の概算を紹介します。
くわしく見ていきましょう。
主要な消耗品の交換費用
日常的なメンテナンスで交換が必要になる消耗品は、比較的手頃な価格で対応可能です。
例えば、Vベルトの交換工賃は1,320円から、エンジンオイル交換の工賃は550円からとなっています 。
- Vベルト交換(工賃):1,320円~
- エンジンオイル交換(工賃):550円~
- フロントブレーキパッド交換(工賃):3,300円~
これらの費用はあくまで工賃の目安であり、別途部品代や油脂代が必要です。
しかし、基本的なメンテナンスコストが極端に高いわけではないことが分かります。
故障箇所別の修理費用の目安
より大きな故障が発生した場合の修理費用は、どの程度かかるのでしょうか。
過去に問題が指摘されたエアドライヤーの交換費用は、新品で約5万円から6万円が目安です 。
修理・交換項目 | 費用目安(部品・工賃込み) | 備考 |
エアドライヤー(新品) | 50,000円~60,000円 | 定期的な交換が推奨される重要部品 |
エアドライヤー(中古・リビルド品) | 25,000円~30,000円 | 費用を抑える選択肢 |
AdBlueポンプ | 約79,000円 | 一般的な部品価格に基づく |
ラジエーター交換 | 工賃6,600円~ + 部品代 | 冷却水漏れの場合 |
大型トラック荷台の床張替え | 約120,000円 | 大規模な架装修理の例 |
これらの金額を把握し、車両の維持管理計画に組み込むことが大切です。
国産トラックとの費用比較の考え方
個別の修理費用だけを見ると、スカニアは割高に感じられるかもしれません。
しかし、車両の価値は修理費用だけでなく、トータルコストで判断することが重要です。
- 優れた燃費性能による燃料費削減
- ドライバーの疲労軽減と定着率向上
- 高い資産価値によるリセールバリュー
スカニアの優れた燃費性能は、日々の燃料費を大幅に削減します 。
快適な乗り心地はドライバーの満足度を高め、人材確保にも繋がるため、総合的な視点でのコスト評価が求められます。
スカニアの故障を減らすための「日常メンテナンス」
スカニアの性能を最大限に引き出し、長く安心して乗り続けるためには日常的なメンテナンスが不可欠です。
高価な修理を未然に防ぐためにも、日々の小さなチェックを怠らないことが重要になります。
- 運行前に実施すべき日常点検項目
- メーカー推奨の定期メンテナンス
- 故障の予兆を見抜くポイント
ここでは、オーナーやドライバーが実践できるメンテナンスのポイントを解説します。
くわしく見ていきましょう。
運行前に実施すべき日常点検項目
法律で定められた日常点検は、安全運行の基本であり、故障の早期発見にも繋がります。
エンジンルーム、車両の周囲、運転席の3つのステップで確認を行いましょう 。
- エンジンルーム:オイル、冷却水、バッテリー液などの量を確認
- 車両周囲:タイヤの空気圧や溝の深さ、灯火類をチェック
- 運転席:ブレーキの効きやワイパーの作動を確認
スカニアの取扱説明書でも、運行前後の目視点検が推奨されています 。
燃料やオイルの漏れなど、異常を早期に発見することが大きなトラブルを防ぎます。
メーカー推奨の定期メンテナンス
日常点検に加え、メーカーが指定する定期メンテナンスの実施は非常に重要です。
特にエンジンオイルとオイルフィルターは、45,000kmごとの交換が指定されています 。
- エンジンオイル・フィルター:45,000kmごとに交換
- 指定オイルグレード:ACEA E7規格の使用が必須
- 2種類のオイルフィルターの清掃・交換
指定グレード以外のオイルを使用すると、エンジン内部の摩耗を引き起こす恐れがあります。
また、エレメント式と遠心分離式の2つのフィルター両方のメンテナンスを忘れないようにしましょう 。
故障の予兆を見抜くポイント
大きな故障は、発生する前に何らかのサインを発していることが多いです。
普段と違う音や見た目の変化に気づくことが、トラブルの拡大を防ぎます。
- エンジン作動時の異音
- マフラーからの煙の色(白煙や黒煙)
- 警告灯の点灯
特にエンジンからの異音や、マフラーから出る煙の色はエンジン状態を知る重要な手がかりです。
少しでも異常を感じたら、早めに専門の整備工場に相談することをおすすめします。
スカニアの「リコール情報の有無」
リコールは、製品の欠陥をメーカーが公式に認め、無償で修理を行う制度です。
リコールの存在は不安要素に感じられるかもしれませんが、むしろメーカーの誠実な対応を示す指標とも言えます。
- 近年の主なリコール事例
- リコール情報の確認方法
- リコールへの誠実な対応
スカニアも過去にいくつかのリコールを届け出ており、その内容を把握しておくことは重要です。
くわしく見ていきましょう。
近年の主なリコール事例
最近では、いくつかの重要なリコールが国土交通省に届け出られています。
2025年7月には、LEDヘッドライトの不具合で1,654台が対象となるリコールが発表されました 。
- 2025年7月:灯火器(LEDヘッドライト)の不具合(1,654台)
- 2025年5月:トレーラーエアホースの不具合(794台)
- その他:少数台数のリコールも随時公表
また、同年5月にはトレーラーエアホースの不具合により、火災の恐れがあるとして794台がリコール対象となっています 。
これらの情報は、安全性に関わる重要な内容です。
リコール情報の確認方法
自身が所有する車両や購入を検討している中古車がリコール対象かどうかを確認する方法は簡単です。
最も確実なのは、スカニアジャパンの公式ウェブサイトで公開されている情報をチェックすることです 。
- スカニアジャパン公式サイト
- 国土交通省の自動車リコール情報
- 正規ディーラーへの問い合わせ
また、国土交通省のウェブサイトでも、すべての自動車メーカーのリコール情報が検索できます 。
不明な点があれば、最寄りの正規ディーラーに問い合わせるのが良いでしょう。
リコールへの誠実な対応
リコールが発表されること自体は、ネガティブな情報に聞こえるかもしれません。
しかし、問題を隠さずに公表し、責任をもって改善措置を行う姿勢は、メーカーの信頼性を示すものです。
- 問題の公表と原因の特定
- 無償での点検・修理の実施
- ユーザーの安全を最優先する姿勢
故障とは、予期せぬ場所で見捨てられる不安と隣り合わせです。
リコールという制度は、メーカーがユーザーを見捨てず、製品に最後まで責任を持つという意思表示であり、むしろ安心材料と捉えることができます。
スカニアの「修理か売却かの決め手」
トラックを長年使用していると、大きな修理が必要になる場面が訪れます。
その際に「高額な費用をかけて修理を続けるべきか」「売却して新しい車両に乗り換えるべきか」という判断は非常に重要です。
- 修理費用と車両価値のバランス
- トラックの寿命(年数と走行距離)
- 修復歴が査定額に与える影響
ここでは、その判断基準となるポイントを具体的に解説します。
くわしく見ていきましょう。
修理費用と車両価値のバランス
修理か売却かを判断する最も基本的な原則は、経済的な合理性です。
修理にかかる費用が、修理後の車両価値を上回ってしまう場合は、売却を検討するのが賢明です 。
- 修理費用 > 車両の市場価値 → 売却を検討
- フレームの損傷は修理費が高額になりがち
- 安全性の確保が最優先
特に、車両の骨格部分であるフレームに損傷が及んでいる場合、修理は非常に高額になります。
また、安全性を完全に元通りにすることが難しいため、売却が有力な選択肢となるでしょう 。
トラックの寿命(年数と走行距離)
トラックの寿命は、乗用車とは大きく異なります。
以下の表は、トラックのサイズ別の平均的な寿命の目安です。
トラックサイズ | 平均寿命(使用年数) | 平均寿命(走行距離) |
小型トラック(2t未満) | 約11年 | 約20万km |
中型トラック(2~6.5t) | 約14年 | 約40~50万km |
大型トラック(6.5t以上) | 約14年 | 約70万km |
例えば、大型トラックであれば走行距離が70万kmを超えていても、適切なメンテナンス次第で十分に活躍できます 。
自分のトラックが寿命のどの段階にあるかを把握することが、正しい判断に繋がります。
修復歴が査定額に与える影響
修理の内容によっては、将来の売却額に大きく影響する場合があります。
特に、車両の骨格部分を修理・交換した「修復歴」がある車両は、査定額が大幅に下がることが一般的です 。
- 「修復歴」は査定額を大きく下げる要因
- ドア交換などの「修理歴」とは区別される
- 小さな傷や凹みは修理せず査定に出すのが得策
修復歴があると、通常の7割から8割程度の査定額になることもあります 。
一方で、小さな傷や凹みは、修理費用の方が査定ダウン額より高くつくことが多いため、そのまま査定に出すのがおすすめです 。
【知らないと損】10年落ちのトラックでも”驚きの高値”がつくワケ
「10年落ちのトラックなんて、もう価値がないだろう」と考えるのは早計です。
乗用車の常識は、トラックの世界では通用しません。
- 乗用車とは異なるトラックの価値
- 高い耐久性と海外での需要
- 部品としての価値も高い
実は、古いトラックには驚くほどの価値が眠っているのです。
くわしく見ていきましょう。
乗用車とは異なるトラックの価値
乗用車の場合、10年または10万kmが価値の大きな節目とされています 。
しかし、トラックはそれよりもはるかに長く使われることを前提に設計されており、中古市場での価値も維持されやすいのです。
- 10年落ちでも価値が残る
- 走行距離が多くても高値がつく可能性
- 車種や架装によっては数百万の価値も
例えば、10年落ちの日野レンジャー(クレーン付き)に320万円の買取価格がついた実績もあります 。
乗用車と同じ感覚で処分を考えると、大きな損をしてしまう可能性があります。
高い耐久性と海外での需要
なぜ古いトラックに価値があるのか、その最大の理由は海外での高い需要にあります。
特に日本製トラックは「故障が少なく頑丈」という評価が定着しており、開発途上国などで絶大な人気を誇ります 。
- 日本製トラックへの高い信頼
- インフラが未整備な国での需要
- 新車が高価なため中古車が人気
道路環境が悪い地域でも安定して走行できる耐久性が、海外のユーザーから高く評価されているのです。
このグローバルな需要が、日本国内の中古トラックの価格を支えています。
部品としての価値も高い
たとえ、もう走れないような状態のトラックであっても、価値がゼロになることはほとんどありません。
なぜなら、エンジンやトランスミッションといった部品単体でも、海外で需要があるからです 。
- エンジンやミッション単体での需要
- パーツとしての再利用
- 廃車寸前でも買取可能
動かなくなったトラックも「部品の塊」として価値があり、買取業者は高値で買い取ることが可能です。
どんな状態でも、まずは専門の買取業者に査定を依頼してみることをお勧めします。
スカニアの中古を買うときの「注意点」
スカニアを中古で購入する際は、新車とは異なる視点でのチェックが必要です。
魅力的な価格の裏に隠れたリスクを見抜き、良い個体を見つけるためのポイントを解説します。
- 車両状態のチェックポイント(外装・内装)
- エンジンと足回りの確認事項
- 書類で確認すべき項目
これらの注意点を押さえることで、購入後の思わぬ出費やトラブルを防ぐことができます。
くわしく見ていきましょう。
車両状態のチェックポイント(外装・内装)
まずは車両全体を注意深く観察し、コンディションを把握することが大切です。
外装では、特に荷台の四隅やフックの根元などに錆が発生していないかを確認しましょう 。
- 外装:錆、大きな傷や凹み、タイヤの偏摩耗
- 内装:異臭、シートの破れ、エアコンの効き
- 灯火類:全ての警告灯が正常に点灯するか
内装では、エンジンキーを回して全ての警告灯が一度点灯し、正常に消えるかを確認することが重要です。
警告灯の不点灯は、トラブルの兆候を見逃す原因になります 。
エンジンと足回りの確認事項
中古トラック選びで最も重要なのが、心臓部であるエンジンの状態です。
どんなに年式が新しくても、エンジンの状態が悪い車両は避けるべきです 。
- エンジン始動時の異音の有無
- オイル漏れの痕跡がないか
- マフラーからの排気ガスの色
エンジンをかけた際の異音や、マフラーからの白煙・黒煙は不調のサインです。
また、エンジンルームや下回りを覗き込み、オイルが漏れた跡がないかも必ずチェックしましょう。
書類で確認すべき項目
車両の状態と合わせて、書類の確認も中古車選びの重要なプロセスです。
特に「整備記録簿」は、そのトラックがどのように扱われてきたかを知るための貴重な資料となります 。
- 車検証
- 整備記録簿(メンテナンスノート)
- 自賠責保険証・自動車税納税証明書
定期的なオイル交換の記録など、メンテナンスがしっかり行われてきたかを確認しましょう 。
信頼できる販売店であれば、これらの書類はきちんと揃っているはずです。
よくある質問|スカニアは本当に「故障が多い」のか徹底調査
- スカニアの評判はどう?
- デメリットは?
- なぜ人気?
- 故障コードはどこで分かる?
- ボルボと比較してどう?
- 修理工場はどこ?
- スカニア「R410」の価格は?(概算)
スカニアの評判はどう?
現在のユーザーからの評判は非常に良好です。
特に、スタイリッシュなデザイン、優れた燃費性能、そしてドライバーの疲労を軽減する快適で広々とした室内空間が高く評価されています 。
- 洗練された外観デザイン
- 高い燃費性能と経済性
- 快適な乗り心地と居住性
これらの特徴が、ドライバーの満足度向上や人材確保にも繋がっており、多くの企業で支持されています。
「スカニアに乗ることがステータス」と感じるドライバーも少なくありません 。
デメリットは?
主なデメリットとして、キャブの構造に由来する点が挙げられます。
快適な居住性を実現するためにキャブが国産車より長く、その分、荷台の長さや最大積載量が若干少なくなる傾向があります 。
- 荷台長・最大積載量が国産車より少なくなる場合がある
- 部品代が国産車より高価になる可能性がある
- 車両価格が比較的高め
また、輸入車であるため、一部の交換部品は国産トラックよりも高価になる可能性があります。
初期投資としての車両価格も、国産の同クラスのトラックと比較して高めに設定されています。
なぜ人気?
スカニアの人気は、単なる見た目の良さだけではありません。
ドライバーを魅了する4つの大きな理由があります。
- 際立つヨーロピアンデザイン
- ホテルのような広々とした静かな室内空間
- 安定した走行性能と優れた乗り心地
- 運用コストを削減する高い燃費性能
これらの要素が組み合わさることで、長距離運転の疲労を大幅に軽減します 。
結果として、ドライバーのモチベーションアップや企業のイメージ向上にも貢献しています。
故障コードはどこで分かる?
車両に異常が発生すると、タコメーター内のディスプレイに警告シンボルが表示されます。
インパネにあるボタンを操作することで、具体的な故障コードを確認できます 。
- タコメーターのディスプレイに表示される
- インパネのボタン操作で詳細を確認
- 診断ツールでSPN・FMIコードを読み取り可能
例えば、特定のボタンを同時に3秒間長押しすると、故障内容の詳細な説明が表示されるモデルもあります 。
より専門的な診断には、整備工場で専用のスキャンツールを使用します。
ボルボと比較してどう?
どちらもスウェーデンを代表するプレミアムトラックメーカーです。
歴史的には、日本ではボルボの方が部品供給体制で先行していたという評価がありました 。
- 乗り心地:スカニアは特に静粛性が高いと評価される
- 操作性:ボルボはIシフトやダイナミックステアリングが特徴
- 信頼性:過去のスカニアは特定部品の故障が多かった
乗り心地ではスカニアの静粛性が、操作性ではボルボの先進技術がそれぞれ高く評価されています。
現在はどちらも高い信頼性を誇りますが、ブランドの個性やフィーリングで選ばれることが多いようです。
修理工場はどこ?
スカニアの修理やメンテナンスは、専門的な知識と設備が必要なため、正規ディーラーまたは認定サービス工場で行うのが原則です。
スカニアジャパンは、北海道から沖縄まで全国に約30のサービス拠点を展開しています 。
- 全国約30の正規サービス拠点
- 専門知識を持つメカニックが対応
- 公式サイトで最寄りの工場を検索可能
これにより、全国どこで運行していても、安心してサポートを受けることが可能です。
最寄りのサービス拠点は、スカニアジャパンの公式ウェブサイトで検索できます。
スカニア「R410」の価格は?(概算)
新車の価格は仕様によって大きく異なるため一概には言えませんが、中古車の価格は参考になります。
年式や走行距離、車両の状態によって価格は大きく変動します。
- 中古車価格は状態により様々
- 2017年式G410(ウイング):900万円(税抜)
- 2019年式R410(ウイング):1,491万円(税込)
過去の販売事例では、2017年式のG410アルミウイングが900万円(税抜)で販売されていました 。
また、一般的な買取相場としては、古いモデルでは100万円台から、状態の良いものでは600万円以上になることもあります 。
まとめ|スカニアは本当に「故障が多い」のか徹底調査
今回の調査を通じて、スカニアの故障に関する評判の多面的な背景が明らかになりました。
- 故障の真相:「故障が多い」は過去のイメージ。現在のモデルはユーザーから「圧倒的に故障が少ない」と高く評価されている。
- 評判の背景:日本の多湿な気候による特定の部品(エアドライヤー)の不具合と、過去の部品供給体制の問題が評判の主な原因。
- 主な故障と対策:エアドライヤーや灯火器類など特定の問題は存在するが、リコールなどで対策済み。AdBlue警告灯なども正しい知識で対処可能。
- 修理費用:部品代は国産より高い場合もあるが、燃費性能や快適性を考慮した総所有コスト(TCO)で判断することが重要。
- リコールとサポート:積極的なリコールはメーカーの責任感の表れであり、全国30拠点のサービス網が安心を支える。
- 資産価値:トラックは10年落ちでも価値が落ちにくく、特に人気のスカニアは高い資産価値を維持しやすい。
スカニアの故障に関する不安は、過去の情報や特定の事象から生まれたものです。
現在のスカニアは、卓越した燃費性能とドライバーを魅了する快適性を備え、
堅牢なサポート体制に支えられた、ビジネスを加速させるための賢明な投資です。
ぜひ一度、その真価を正規ディーラーでお確かめください。