「デュオニックは本当に楽なのか?」
「故障が多いって聞くけど大丈夫?」
「エルフと比べて実際のところどうなの?」
といった疑問や不安をお持ちではありませんか。
しかし、ご安心ください。
本記事では、キャンター デュオニックの口コミ評判から故障事例、メンテナンス方法までを、くわしく解説します。
この記事を読むことで、キャンター デュオニックの長所と短所の全てを知ることができ、安心して購入判断ができるようになります。
記事のポイント
- 良い・悪い口コミ評判の深掘り
- よくある故障事例とその対策
- 日常メンテナンスと維持費
- ライバル車との徹底比較
キャンター デュオニック(オートマ)の「悪い口コミ評判」
キャンター デュオニックには、いくつかのネガティブな口コミ評判も寄せられています。
特にエンジン性能や内装、乗り心地に関しては、厳しい意見が見受けられます。
- エンジン性能と騒音の不満点
- 内装の質感と装備への指摘
- 乗り心地に関する賛否両論
これらの具体的な内容について、くわしく見ていきましょう。
エンジン性能と騒音の不満点
エンジン性能、特にパワー不足を感じるという声が多くあります。
ライバル車であるいすゞ エルフのトルク感や、トヨタ ダイナのパワー感と比較すると、物足りなさを感じるようです 。
- 高速道路の合流で伸び悩む
- 登り坂で力不足を感じることがある
- 巡航中に「カラカラ」という高音が耳につく
特に中高速域での加速性能に不満が集中しており、積載時の高速走行ではストレスを感じる場面もあるかもしれません。
また、巡航時のエンジン音は、他社のトラックに比べて大きいという指摘もされています 。
内装の質感と装備への指摘
内装の質感や一部の装備に関しても、改善を求める声が上がっています。
「内装がしょぼい」という直接的な表現で、コストダウンの影響を指摘する口コミが見られました 。
- ルームミラーが小さく調整しづらい
- グローブボックスがなく車検証の保管場所に困る
- カップホルダーの部品が折れた事例がある
毎日使う仕事の道具として、収納スペースの不足や部品の耐久性不足は、使い勝手に大きく影響するポイントです。
先進的なトランスミッションとは対照的に、内装の作り込みには課題が残るようです。
乗り心地に関する賛否両論
乗り心地については、評価が分かれる傾向にあります。
サスペンションが硬く、路面の凹凸に敏感に反応するという意見があります 。
- サスペンションが硬いという意見
- サスペンションが柔らかいという意見
- DPFの手動再生が頻繁で手間がかかる
一方で、サスペンションが柔らかすぎてハンドリングに不満があるという声もあり、積載状況によって印象が大きく変わる可能性があります。
また、DPF(黒煙除去フィルター)の再生頻度が高いという指摘もあり、作業を中断されることがストレスになるようです 。
キャンター デュオニックの「よくある故障と対策」
キャンター デュオニックの購入を検討する上で、最も気になるのが故障のリスクです。
特にトランスミッションとエンジンには、特有の故障事例が報告されています。
- デュオニックトランスミッションの故障事例
- 4P10エンジンの代表的なトラブル
- 故障を防ぐための基本的な対策
ここでは、代表的な故障とその対策について、くわしく見ていきましょう。
デュオニックトランスミッションの故障事例
デュオニックは精密なシステムのため、いくつかの故障事例が確認されています。
ATFフィルターが破損し、ミッション内部に鉄粉が回ってしまうケースが報告されています 。
- ATFフィルターの破損による内部汚染
- オイルポンプのスプライン摩耗による油圧低下
- 納車直後からトランスミッションが故障していた事例
この状態になるとバルブボディやデュアルクラッチの交換が必要となり、修理費用が高額になる傾向があります。
また、オイルポンプが摩耗して油圧を発生できなくなり、走行不能に陥るトラブルも発生しています 。
4P10エンジンの代表的なトラブル
搭載されている4P10エンジンは、残念ながら不具合が多いことで知られています。
「日本のトラックで不具合NO.1」とまで言われるほど、様々なトラブルが報告されているのが現状です 。
- 燃料噴射ポンプ(サプライポンプ)の不具合
- インジェクターの詰まりや固着によるエンジン停止
- センサー類の故障による始動不能
特に燃料系統のトラブルが多く、走行中に突然エンジンが停止する事例もあり、安全に関わる重要な問題です。
診断機にかけると一度に8〜10項目ものエラーコードが表示されることもあり、原因特定が難しいケースも少なくありません 。
故障を防ぐための基本的な対策
高額な修理費用を避けるためには、日頃のメンテナンスが非常に重要です。
エンジンとトランスミッション、それぞれのポイントを押さえた管理が求められます。
- DPF対応の低灰分エンジンオイルを定期的に交換する
- ATF(オートマフルード)を5万〜8万kmで交換する
- DPFの警告灯が点灯したら速やかに手動再生を行う
特にデュオニックのATF交換は、故障予防の観点から非常に効果的です。
メーカーの指定サイクルよりも早めの交換を心がけることで、深刻なトラブルのリスクを大幅に減らすことができます。
キャンター デュオニックの「良い口コミ評判」
多くの懸念点がある一方で、キャンター デュオニックにはそれを補って余りある魅力があります。
特に走行性能や運転の快適性については、オーナーから絶賛の声が上がっています。
- 高く評価される走行性能と安定性
- デュオニックによる運転の容易さ
- 優れた乗り心地と疲労軽減効果
ここでは、キャンター デュオニックが持つ独自の長所を、くわしく見ていきましょう。
高く評価される走行性能と安定性
ハンドリング性能は、同クラスのトラックの中で最も優秀だと高く評価されています。
エルフやダイナと比較しても、特に後輪の接地感が高く、安定したコーナリングが可能です 。
- キャビンとシャシーの一体感が強い
- 高速道路での安定性が圧倒的に良い
- ハンドルを大きく切っても腰砕け感がない
シャシーやサスペンションの剛性が高く設計されており、ドライバーに安心感を与えてくれます。
「エルフやダイナでは怖くて乗れなかった高速道路の追越車線に乗ることができた」という声もあるほどです 。
デュオニックによる運転の容易さ
デュオニックの最大の魅力は、マニュアル車のようなダイレクト感とオートマ車の快適さを両立している点です。
「何も考えずに運転できてしまう非常に優秀なトランスミッション」と評価されています 。
- クラッチ操作が不要で運転が楽になる
- 湿式クラッチのためクラッチ板の交換が不要
- クリープ走行が可能で車庫入れなどがしやすい
変速ショックが少なくスムーズで、巡航中のダイレクト感は速度調整を容易にします。
AT限定免許でも運転できるため、ドライバーの確保がしやすくなるという経営上のメリットも大きいでしょう。
優れた乗り心地と疲労軽減効果
乗り心地の良さは、キャンターがライバル車を圧倒しているポイントです。
路面からの突き上げをサスペンションとシートが巧みに吸収してくれます 。
- 段差を乗り越えた時の苦痛はエルフの3分の1程度
- 長時間乗った時の疲労度が段違いに低い
- シートの座面が柔らかく快適
特に荒れた路面を連続して走行するような場面では、その差が顕著に現れます。
ドライバーの疲労を大幅に軽減できるため、安全運転にも繋がり、長距離輸送を行う事業者にとっては大きな魅力となります。
キャンター デュオニックの「総合評価」
キャンター デュオニックは、長所と短所が非常にはっきりしたトラックです。
運転の快適性を最優先するならば、これ以上ない選択肢と言えるでしょう。
- 運転の快適性はクラストップレベル
- パワーと信頼性には注意が必要
- 長距離ドライバーから高評価
購入を成功させるためには、車両の特性を深く理解することが重要です。くわしく見ていきましょう。
運転の快適性はクラストップレベル
乗り心地と操縦安定性に関しては、ライバル車を一歩リードしています。
特に長時間の運転における疲労軽減効果は絶大で、ドライバーの労働環境改善に大きく貢献します 。
- クラストップの乗り心地
- 優れたハンドリング性能
- 2ペダルによる運転の容易さ
「加速性能や燃費よりも、操縦安定性と乗り心地を重視する」というユーザーや企業にとって、最適な一台です。
ドライバーの満足度を重視するなら、キャンター デュオニックは非常に有力な候補となるでしょう。
パワーと信頼性には注意が必要
一方で、エンジンのパワー不足や故障リスクは無視できない懸念点です。
特に4P10エンジンは不具合の報告が多く、中古車を選ぶ際には注意深い確認が求められます 。
- エンジンパワーがライバル車に劣る
- 4P10エンジンは故障が多いことで知られる
- デュオニックも特有の故障事例がある
これらのリスクを管理するためには、信頼できる整備工場を見つけ、定期的なメンテナンスを徹底することが不可欠です。
購入後の維持費やダウンタイム(車両が稼働できない時間)も考慮に入れた上で、導入を検討する必要があります。
長距離ドライバーから高評価
総合的に見ると、キャンター デュオニックは「ドライバーを大切にするトラック」と言えます。
パワーよりも快適性を優先した設計思想は、特に長距離を運転するドライバーから高く評価されています。
- 疲労が少ないため安全運転に繋がる
- AT限定免許でも運転可能で人材確保に有利
- 中古車市場でも快適性を理由に人気がある
企業の経営者にとっては、ドライバーの定着率向上や事故率低下といった副次的な効果も期待できるかもしれません。
車両の特性を理解し、適切なメンテナンスを行えば、非常に頼りになるビジネスパートナーとなるでしょう。
キャンター デュオニックの「基本情報」
ここでは、キャンター デュオニックの性能を支える基本的なスペックについて解説します。
三菱ふそうが誇る先進技術が、その走りと安全性を実現しています。
- 主要スペック(エンジン・ミッション)
- 安全装備とブレーキシステム
- モデルと価格の一例
これらの基本情報を押さえることで、車両への理解がより深まります。くわしく見ていきましょう。
主要スペック(エンジン・ミッション)
キャンターの心臓部には、4P10型エンジンとデュオニックトランスミッションが搭載されています。
この組み合わせが、キャンター独自の走行フィールを生み出しています 。
項目 | 内容 |
エンジン型式 | 4P10型 直列4気筒インタークーラーターボ |
総排気量 | 2,998cc |
トランスミッション型式 | DUONIC™ (M038S6) |
クラッチ形式 | 湿式デュアルクラッチ |
ギヤ数 | 前進6段、後進1段 |
デュアルクラッチ式のトランスミッションは、伝達効率に優れるマニュアルトランスミッションをベースに、クラッチ操作を自動化したものです。
これにより、スムーズで途切れのない加速と、優れた燃費性能を両立しています 。
安全装備とブレーキシステム
現行モデルのキャンターは、非常に高度な安全装備を標準で搭載しています。
小型トラックとして国内で初めて「アクティブ・サイドガード・アシスト」を標準装備したことは特筆すべき点です 。
- 衝突被害軽減ブレーキ(AEBS)
- 車両安定性制御装置(ESP)
- 車両逸脱警報装置(LDWS)
さらに、全車に総輪ディスクブレーキを採用しており、優れた制動性能を発揮します。
積載状況に応じてブレーキ力を最適に配分するEBD(電子制御制動力配分システム)も標準装備され、高い安全性を確保しています 。
モデルと価格の一例
キャンターには、積載量やキャブの形状によって様々なモデルがラインナップされています。
価格は仕様によって大きく異なりますが、ここでは一例として2010年発売モデルの価格を紹介します 。
- 2t積・標準キャブ・平ボデー完成車: 4,182,000円(税込)
- 2t積・標準キャブ・ダンプ完成車: 4,408,000円(税込)
- 3t積・ワイドキャブ・バンボデー完成車: 5,064,000円(税込)
これらの価格はあくまで当時のものであり、現在の新車価格や中古車相場とは異なります。
しかし、エンジンの出力や架装の種類によって価格帯が変動する点は、購入時の参考になるでしょう。
キャンター デュオニックの「日常メンテナンス」
キャンター デュオニックの性能を維持し、長く安心して乗り続けるためには日常的なメンテナンスが欠かせません。
特に注意すべきは、エンジンオイル、ATF、そしてDPFの3点です。
- エンジンオイルの管理
- ATF(オートマフルード)の定期交換
- DPF(黒煙除去フィルター)の手動再生
これらの管理を怠ると、高額な修理に繋がる可能性があります。くわしく見ていきましょう。
エンジンオイルの管理
4P10エンジンは、DPF(黒煙除去フィルター)を搭載しているため、オイル選びが非常に重要です。
必ずDPFに対応した低灰分タイプのオイルを使用する必要があります 。
- 交換目安は10,000km〜20,000km
- 短距離走行が多い場合は5,000km毎の交換を推奨
- オイルの色や粘度を定期的にチェックする
間違ったオイルを使用するとDPFの詰まりを早め、エンジンの不調や燃費の悪化を招きます。
走行距離だけでなく、使用状況に応じて交換サイクルを調整することが、エンジンを長持ちさせる秘訣です。
ATF(オートマフルード)の定期交換
デュオニックトランスミッションの故障を防ぐ上で、最も重要なのがATFの定期交換です。
メーカーは長寿命をうたっていますが、専門家は5万〜8万kmでの交換を強く推奨しています 。
- ATFの劣化は変速ショックや燃費悪化の原因になる
- 内部のフィルターやストレーナーも同時に交換するのが理想
- 交換を怠るとミッション全体の故障に繋がるリスクがある
ATF交換は数万円の費用がかかりますが、ミッションが故障した場合の修理費用は数十万円から100万円を超えることもあります 。
予防的な投資と捉え、計画的に交換を実施することが賢明です。
DPF(黒煙除去フィルター)の手動再生
DPFは、走行中に溜まったススを自動で燃焼させる機能(自動再生)を持っています。
しかし、短距離走行が多いと自動再生が間に合わず、警告灯が点滅して手動再生を促します 。
- 警告灯が点滅したら安全な場所に停車して手動再生を行う
- 手動再生を無視し続けると警告灯が点灯に変わり走行制限がかかる
- DPFの強制再生や洗浄には高額な費用がかかる
手動再生の操作は、スイッチを押すだけの簡単なものです。
警告を無視せず、速やかに対処することが、DPFシステムの寿命を延ばし、余計な出費を抑えることに繋がります。
キャンター デュオニックの「メリット&デメリット」
キャンター デュオニックの導入を検討する際には、そのメリットとデメリットを正確に把握することが重要です。
ここでは、これまで見てきた内容を整理し、改めて利点と欠点をまとめます。
- メリット:快適性・操作性
- デメリット:故障リスク・パワー不足
- 総合的なコストパフォーマンス
これらの点を総合的に評価し、自社のニーズに合っているかを判断しましょう。くわしく見ていきましょう。
メリット:快適性・操作性
最大のメリットは、ドライバーの負担を大幅に軽減する快適性と操作性です。
この点は、他の追随を許さないキャンター デュオニックの強みと言えます。
- クラストップの乗り心地で疲労が少ない
- 2ペダルで運転が簡単、AT限定免許にも対応
- 優れた操縦安定性で安心して運転できる
ドライバーの働きやすさを重視する企業や、長距離輸送がメインの事業者にとっては、非常に価値の高いメリットです。
日々の業務の質を向上させるポテンシャルを秘めています。
デメリット:故障リスク・パワー不足
一方で、見過ごせないデメリットも存在します。
特に、エンジンとトランスミッションの信頼性については、懸念の声が多く上がっています。
- 4P10エンジンは特有の故障が多い
- デュオニックも高額な修理に繋がる故障事例がある
- ライバル車と比較してエンジンパワーが不足している
これらのデメリットを許容できるかどうかが、購入の大きな分かれ目となります。
中古車を検討する場合は、特にメンテナンス履歴を重視し、信頼できる販売店から購入することが重要です。
総合的なコストパフォーマンス
コストパフォーマンスを考える際には、車両本体価格だけでなく、長期的な視点が必要です。
維持費やリセールバリュー、そしてドライバーの生産性まで含めて評価するべきでしょう。
- メンテナンスを怠ると維持費が高騰するリスクがある
- ドライバーの疲労軽減による生産性向上や事故率低下も考慮
- 高いリセールバリューは最終的な資産価値を高める
初期投資やメンテナンス費用はかかりますが、それがもたらすメリット(人材確保、安全性向上など)をどう評価するか。
経営者の視点で総合的に判断することが求められます。
キャンター デュオニックが「おすすめの人」
キャンター デュオニックは、全ての人におすすめできる万能なトラックではありません。
しかし、その特性が特定のニーズに合致する場合には、最高の選択肢となり得ます。
- 長距離運転が多い事業者
- ドライバーの負担軽減を重視する企業
- 運転経験の浅いドライバーを雇用する場合
自社の状況と照らし合わせながら、最適な一台かどうかを考えてみましょう。くわしく見ていきましょう。
長距離運転が多い事業者
一日の大半を車内で過ごす長距離ドライバーにとって、運転の快適性は死活問題です。
キャンター デュオニックの優れた乗り心地は、疲労を大幅に軽減し、安全運転をサポートします 。
- 腰痛などの職業病リスクを低減
- 集中力を維持しやすく、事故防止に貢献
- 快適な運転環境はドライバーの満足度と定着率を高める
パワーよりも快適性を重視する長距離輸送では、キャンターの魅力が最大限に発揮されるでしょう。
ドライバーの健康と安全を第一に考える事業者に、特におすすめです。
ドライバーの負担軽減を重視する企業
運送業界が抱える「2024年問題」など、ドライバーの労働環境改善は喫緊の課題です。
クラッチ操作が不要なデュオニックは、日々の運転から肉体的・精神的な負担を取り除きます。
- 渋滞時のストレスを大幅に軽減
- 坂道発進もヒルスタートアシストで安心
- 運転操作がシンプルなため、より運転に集中できる
ドライバーの負担を少しでも軽くしたい、という経営方針を持つ企業に最適です。
働きやすい環境を提供することは、企業の社会的責任を果たす上でも重要です。
運転経験の浅いドライバーを雇用する場合
AT限定免許でも運転できる点は、人材確保の面で大きなアドバンテージとなります。
特に若手や女性、トラックの運転経験が少ないドライバーでも、安心して業務を任せることができます。
- 採用の門戸が広がり、人材不足の解消に繋がる
- マニュアル操作の習熟期間が不要で、即戦力として期待できる
- 先進安全装備が運転の未熟さをカバーしてくれる
多様な人材が活躍できる環境を整えたい企業にとって、キャンター デュオニックは強力なツールとなるはずです。
教育コストの削減にも貢献するでしょう。
キャンター デュオニックの「注意点」
キャンター デュオニックの購入を成功させるためには、いくつかの注意点を押さえておく必要があります。
特に中古車を検討する際には、車両の状態を慎重に見極めることが重要です。
- 中古車購入時のチェックポイント
- 4P10エンジンの初期モデル
- 定期的なメンテナンスの重要性
これらのポイントを理解し、後悔のない選択をしましょう。くわしく見ていきましょう。
中古車購入時のチェックポイント
中古のキャンター デュオニックを選ぶ際は、価格だけでなくメンテナンス履歴を最優先で確認してください。
特にエンジンオイルとATFの交換履歴は、その車両が大切に扱われてきたかを知る重要な手がかりです。
- エンジンオイルの交換記録(使用オイルの種類も確認)
- ATFの交換記録(走行何キロで交換したか)
- 整備記録簿が完備されているか
記録が不確かな車両や、格安すぎる車両は、購入後に高額な修理費用が発生するリスクが高いと考えられます。
信頼できる販売店で、車両の状態について詳しい説明を受けることが不可欠です。
4P10エンジンの初期モデル
4P10エンジンは、登場から時間が経つにつれて改良が重ねられています。
特に2010年から数年間の初期モデルは、故障の報告が多い傾向にあるため注意が必要です 。
- 2017年頃の記事で「この年代のキャンターは不具合が非常に多い」との指摘がある
- Noxセンサーの異常など、排気ガス浄化システムのトラブルが頻発
- 改良が進んだ新しい年式のモデルは故障が大幅に減少している
中古車を探す際は、可能な限り年式の新しいモデルを選ぶことが、故障リスクを避けるための賢明な判断と言えます。
予算とのバランスを考えながら、慎重に車両を選定しましょう。
定期的なメンテナンスの重要性
キャンター デュオニックは、良くも悪くもメンテナンスが性能を大きく左右するトラックです。
「乗りっぱなし」にせず、定期的な点検と消耗品の交換を計画的に行うことが、長く付き合うための絶対条件です。
- オイル交換を怠るとエンジンやDPFに深刻なダメージを与える
- ATFを交換しないとデュオニックの故障リスクが飛躍的に高まる
- 日々の始業前点検で異常の早期発見に努める
購入後のメンテナンス費用も予算に組み込んでおく必要があります。
手厚いメンテナンスは、結果的にトータルの維持費を抑え、車両の資産価値を守ることに繋がります。
【知らないと損】10年落ちのトラックでも”驚きの高値”がつくワケ
「トラックは資産」と言われることがありますが、その理由をご存知でしょうか。
乗用車とは異なり、10年落ちや走行距離が数十万kmを超えたトラックでも、驚くほど高い価格で取引されています。
- 日本のトラックが持つ高い耐久性と信頼性
- 活発な海外需要と輸出市場
この背景を知ることで、トラックの購入や売却をより有利に進めることができます。
くわしく見ていきましょう。
日本のトラックが持つ高い耐久性と信頼性
日本のトラックは、世界的に見ても非常に高い品質と耐久性を誇ります。
過酷な使用環境を想定した頑丈な構造と、メンテナンスしやすいシンプルな設計が特徴です 。
- 乗用車に比べ排気量が大きくエンジンへの負荷が少ない
- プロのドライバーによる丁寧な運転で消耗が少ない
- 厳格な車検制度により定期的な整備が徹底されている
これらの要因が組み合わさることで、長年にわたって高い性能を維持することができます。
「日本で使われていた」という事実そのものが、品質を保証するブランドとなっているのです 。
活発な海外需要と輸出市場
日本で役目を終えた中古トラックは、その多くが海外へ輸出され、第二の人生を送っています。
特にアフリカや東南アジアなどの新興国では、日本の中古トラックに対する絶大な需要があります 。
- 道路状況が悪い地域でも壊れにくい耐久性が評価されている
- 高品質な車両が手頃な価格で手に入るため人気が高い
- 修理用の部品が手に入りやすいことも強み
この旺盛な海外需要が、国内の中古トラック相場を力強く下支えしています。
国内で価値がないと思われるような古いトラックでも、海外では貴重な資源として高値で取引されるのです。
よくある質問|キャンター デュオニック(オートマ)の「口コミ評判」について
ここでは、キャンター デュオニックに関してよく寄せられる質問にお答えします。
- オイル交換のタイミングは?
- ATF交換のタイミングは?
- 異音のおもな原因は?
- リコール情報はある?
- 初期化設定の方法は?
- キャンターに壊れやすい年代はある?
- キャンターは故障が多い?
- キャンターが安い理由は?
- キャンターの乗り心地は悪い?
- 4P10エンジンの故障の原因は?
- エルフとキャンター、どっちがいい?
- 新型キャンターの悪いところは?
オイル交換のタイミングは?
一般的には10,000km〜20,000kmが目安ですが、使用状況により5,000km毎の交換が推奨されます 。
ディーゼルエンジンはオイルへの負荷が大きく、特に短距離走行や重積載などのシビアコンディションでは劣化が早まります。
- 通常使用:10,000~20,000km
- シビアコンディション:5,000~10,000km
- DPF搭載車は専用の低灰分オイルが必須
DPFの保護とエンジン性能維持のため、早めの交換を心がけることが重要です。
オイル交換は、エンジンの健康を守るための最も基本的なメンテナンスです。
ATF交換のタイミングは?
メーカーは長寿命をうたいますが、故障予防のため50,000km〜80,000kmでの交換が専門家から推奨されています 。
デュオニックはATFフィルターの破損やオイルポンプの摩耗といった油圧系の故障が報告されています 。
- 専門家の推奨:50,000km~80,000km
- 一般的な目安:20,000kmまたは2年
- フィルターやストレーナーの同時交換が理想
定期的なATF交換は、これらの高額な修理を未然に防ぐ最も効果的な対策です。
予防メンテナンスとして、計画的に実施することをおすすめします。
異音のおもな原因は?
異音が発生した場合、原因は多岐にわたりますが、いくつかの代表的な原因が考えられます。
エンジンからの異音であれば、タイミングチェーンの伸びが原因である可能性があります 。
- エンジン:タイミングチェーンの伸び
- トランスミッション:オイルポンプや内部ギアの摩耗
- 足回り:デフギアやベアリングの劣化
また、プロペラシャフトの接触や、トランスミッション内部の部品の不具合なども異音の原因となります 。
異音を感じたら放置せず、速やかに専門の整備工場で点検を受けることが重要です。
リコール情報はある?
はい、キャンターは過去に複数のリコールが届け出られています。
直近では、メータークラスターのソフトウェア不具合や、方向指示器の不点灯に関するリコールがありました 。
- メータークラスターのソフトウェア不具合(2024年12月)
- 方向指示器のバルブソケット不具合(2025年3月)
- eキャンターではブレーキの不具合で火災事例も報告
リコール対象かどうかは、三菱ふそうの公式ウェブサイトで車台番号を入力して確認できます。
中古車を購入した際も、必ずリコール対応が済んでいるかを確認しましょう。
初期化設定の方法は?
オイル交換後などに表示されるスパナマーク(メンテナンスリマインダー)は、特定の手順でリセットできます。
エンジンを始動せず、イグニッションをONの状態で行います 。
- イグニッションをONにする(エンジンはかけない)
- アクセルペダルを床まで踏み込み20秒以上待つ
- アクセルを踏んだままブレーキペダルを6回以上踏む
成功すると、メーターに「ENGSYS」が10秒間表示され、その後スパナマークが消灯します 。
ただし、これはあくまで表示のリセットであり、ECU(コンピュータ)の学習値を初期化する作業とは異なります。
キャンターに壊れやすい年代はある?
はい、特に8代目キャンターの初期モデル(2010年〜)は故障が多いと指摘されています。
具体的には、2017年頃の記事で「この年代のキャンターはエンジン制御&触媒関係の不具合が非常に多い」と言及されています 。
- 8代目初期モデル(2010年〜)は注意が必要
- エンジン制御や排気ガス浄化システム(BlueTec)のトラブルが頻発
- 改良が進んだ新しい年式のモデルは故障が大幅に減少
この時期のモデルは、イタリアのフィアット・パワートレイン・テクノロジーズ(FPT)製の4P10エンジンを搭載し始めた頃にあたります。
中古車を選ぶ際は、この年代を避けるか、対策部品に交換されているかなどを慎重に確認する必要があります 。
キャンターは故障が多い?
「キャンター全体が故障が多い」というよりは、「特定のモデルや部品に故障が集中している」と考えるのが正確です。
特に4P10エンジンと、それに伴う排気ガス浄化システム(DPF、尿素SCR)のトラブルが目立ちます 。
- 4P10エンジンは不具合が多いことで有名
- デュオニックトランスミッションも特有の故障事例がある
- 適切なメンテナンスでリスクは軽減できる
一方で、シャシーや足回りなどは頑丈に作られており、高く評価されています 。
弱点とされる部分を理解し、予防的なメンテナンスを徹底することが、キャンターと上手く付き合う鍵となります。
キャンターが安い理由は?
三菱ふそうのトラックは、他のメーカーに比べて新車価格が比較的安価な傾向にあります。
これは、親会社であるダイムラー社の品質管理システムを活用し、開発や製造の効率化を徹底しているためです 。
- 開発・製造の効率化によるコストダウン
- 中古車は新車に比べて価格が安い
- LPG車など特殊な仕様は安価で流通することがある
中古車が安い場合は、年式や走行距離に加え、故障リスクが高いモデルである可能性も考慮する必要があります。
価格だけでなく、車両の状態やメンテナンス履歴を総合的に判断することが重要です。
キャンターの乗り心地は悪い?
いいえ、むしろキャンターの乗り心地はクラストップレベルで、非常に高く評価されています。
多くのレビューで、ライバル社のエルフやダイナよりも圧倒的に快適であると報告されています 。
- 路面からの突き上げが少なく、疲労度が低い
- サスペンションとシートの性能が高い
- ただし空荷の際は硬く感じるという意見もある
一部で「乗り心地が悪い」という口コミもありますが、それは積載量が少ない場合や、個人の感覚によるものと考えられます。
総合的には、長距離運転の負担を軽減する優れた乗り心地を持っていると言えるでしょう。
4P10エンジンの故障の原因は?
4P10エンジンの故障は、主に燃料系統と排気ガス浄化システムに集中しています。
非常に精密な制御を行っているため、各部品への負荷が大きく、トラブルが発生しやすい傾向にあります。
- インジェクター:詰まりや固着による噴射不良
- サプライポンプ:内部の不具合による燃圧不足
- 各種センサー類:Noxセンサーなどの故障で制御不能に
これらの部品は高価であり、修理費用が高額になりがちです 。
定期的な燃料フィルターの交換や、信頼性の高い燃料添加剤の使用が、トラブルの予防に繋がります。
エルフとキャンター、どっちがいい?
どちらが良いかは、何を重視するかによって結論が変わります。
加速性能と燃費、メンテナンスのしやすさを重視するならエルフ、操縦安定性と乗り心地を最優先するならキャンターがおすすめです 。
- エンジン性能と燃費:エルフが優勢
- 乗り心地と安定性:キャンターが優勢
- メンテナンス性:エルフやデュトロの方が容易との意見あり
エルフは力強いエンジンが魅力ですが、乗り心地は硬めです。
一方、キャンターは非常に快適ですが、エンジンパワーに物足りなさを感じるかもしれません。両車を試乗して比較検討することが最善です。
新型キャンターの悪いところは?
新型キャンターも、いくつかの欠点が指摘されています。
特に内装の使い勝手に関しては、改善を望む声があります。
- ルームミラーが小さく後方の視認性がいまひとつ
- グローブボックスがなく収納が少ない
- シフトレバーの操作性が直感的でない
また、DPFの定期的なメンテナンスが必要な点や、維持費が高めであることもデメリットとして挙げられます 。
年間維持費は、税金や保険、燃料費、メンテナンス費用などを含め、約80万円前後が目安となります 。
まとめ|キャンター デュオニック(オートマ)の「口コミ評判」について
この記事では、キャンター デュオニックの口コミ評判について、多角的に解説しました。
- 悪い評判: エンジンパワー不足と騒音、内装の質感が主な不満点。
- 故障: 4P10エンジンとデュオニックトランスミッションに特有の、高額になりうる故障事例が報告されている。
- 良い評判: クラストップの乗り心地と操縦安定性、2ペダルによる運転の容易さが絶賛されている。
- 総合評価: 運転の快適性を最優先するなら最適だが、パワーと信頼性の面では懸念も残る、特徴のはっきりしたトラック。
- 基本情報: 3Lの4P10エンジンと6速DCT「デュオニック」がパワートレインの核。
- 日常メンテナンス: 故障予防のために、メーカー指定より短いサイクルでのオイル・ATF交換が重要。
- 注意点: 中古車は8代目初期モデルを避け、メンテナンス履歴が確かな車両を選ぶべき。
- 中古車価値: 国内外の強い需要により、10年落ちでも非常に高いリセールバリューを維持する。
キャンター デュオニックは、ドライバーの快適性を第一に考える事業者にとって、最高のビジネスパートナーとなり得ます。
この記事で得た知識を活かし、ぜひ信頼できる一台を見つけて、日々の業務にお役立てください。