【エルフ vs キャンター】どっちがいい?トラックを徹底比較

「エルフとキャンター、どっちのトラックが良いのだろう」

「仕事で使うから故障は避けたい」

「結局、総額で安いのはどっち?」

といった悩みはありませんか。

小型トラック選びは、日々の業務効率や維持費に直接関わる重要な決断です。

ですが、カタログスペックだけでは見えない違いを知らずに選ぶと、後悔する可能性があります。

しかし、ご安心ください。

本記事では、いすゞ「エルフ」と三菱ふそう「キャンター」を25項目で徹底比較し、詳しく解説します。

この記事を読むことで、両車の違いの全てを知ることができ、安心してあなたのビジネスに最適な一台を選ぶことができるようになります。

記事のポイント

  • エンジン性能のエルフ
  • 乗り心地のキャンター
  • 25項目で性能を徹底比較
  • 維持費とリセールバリューの違い
目次

【エルフ vs キャンター】おすすめできる人を比較

エルフとキャンターがおすすめ比較

いすゞエルフと三菱ふそうキャンターは、それぞれ異なる強みを持つトラックです。

どちらを選ぶべきかは、事業の優先順位によって明確に分かれるといえるでしょう。

  • 信頼性とパワフルな走りを求めるならエルフ
  • ドライバーの快適性と先進安全性を重視するならキャンター
  • 長期的な総資産価値を考えることも重要

「エンジンの信頼性」を最優先するならエルフが、一方で「ドライバーの疲労軽減」を重視するならキャンターがおすすめです。

両車の本質的な違いを理解し、あなたに最適な一台を見つけるために、さらにくわしく見ていきましょう。

エルフがおすすめな人

エルフは、何よりもまずエンジンの信頼性と耐久性を求める事業者におすすめです。

いすゞ製のエンジンは「壊れない」という高い評価を確立しています 。  

  • 重積載での走行が多い業務
  • 坂道や市街地でのストップアンドゴーが多い業務
  • 車両のダウンタイムが許されないクリティカルな業務

また、高いリセールバリューは長期的な資産価値を重視する方にとって大きな魅力となります 。  

エンジンの力強いトルク感は、積載時でもストレスのない走りを提供してくれるでしょう 。  

キャンターがおすすめな人

キャンターは、ドライバーの快適性を最優先に考える事業者におすすめできます。

長距離輸送や一日中運転するドライバーの疲労を大幅に軽減する乗り心地は、他車を圧倒します 。  

  • ドライバーの労働環境改善を考えている企業
  • 長距離や地方の荒れた路面を走行する機会が多い業務
  • 左折時の巻き込み事故防止など、市街地での安全性を高めたい業務

特に、業界全体でドライバー不足が課題となるなか、快適な車両は人材確保の面でも有利に働く可能性があります。

独自の安全技術「アクティブ・サイドガード・アシスト」も、都市部での運用に大きな安心感をもたらします 。  

【エルフ vs キャンター】どっちがいい?トラックを徹底比較

エルフとキャンターどっちがいい

ここからは、エルフとキャンターを25の具体的な項目で徹底的に比較します。

性能から経済性、実用性に至るまで、あらゆる角度から両車の違いを明らかにしていきます。

  • 比較早見表まとめ
  • グレードを比較
  • ボディサイズを比較
  • 最大積載量を比較
  • 車両総重量を比較
  • エンジンを比較
  • 走行性能を比較(特に登坂力)
  • 小回り性能を比較
  • 変速機を比較
  • 静かさを比較
  • 視野性を比較
  • 乗り心地を比較
  • 人気理由を比較
  • デメリットを比較
  • 燃費を比較
  • 維持費を比較
  • 価格を比較
  • リセールバリューを比較
  • 耐久性を比較
  • 安全性を比較
  • 保証を比較
  • 信頼性を比較
  • 運営会社を比較
  • 注意点を比較
  • まとめ(比較表)

それぞれの項目を順番に見ていき、どちらのトラックがあなたのビジネスに適しているか判断していきましょう。

比較早見表まとめ

はじめに、エルフとキャンターの最も重要な違いを一覧表で確認します。

この表を見るだけで、両車の基本的な性格の違いを把握することができるでしょう。

項目エルフキャンター
強みエンジンの信頼性とトルク  シャシー性能と乗り心地  
エンジン評価非常に高い評価、頑丈  4P10型は故障報告が多い  
ミッションスムーサー (AMT)  デュオニック (DCT)  
独自安全技術ステレオカメラ式ブレーキ  アクティブ・サイドガード・アシスト  
リセール価値高い傾向  エルフより低い傾向  

エンジンのエルフ、乗り心地のキャンターという基本的な構図が明確です。

この特性の違いが、他の多くの比較項目にも影響を与えていることがわかります。

グレードを比較

トラックのグレードは、乗用車とは少し考え方が異なります。

機能や装備の差というよりは、用途に応じた仕様の違いと捉えるのが適切です。

  • エルフの基本グレードは「SG」
  • キャンターの基本グレードは「SA」「DX」
  • キャブやボディの組み合わせが重要

エルフの基本グレードは「SG」ですが、実際には標準キャブやワイドキャブ、床の高さなどで仕様が決まります 。  

キャンターも同様に「SA」や「DX」といったグレードがありつつ、ボディ形状の選択が車両の性格を決定づけます 。  

ボディサイズを比較

小型トラックとして、両車の標準的なボディサイズは非常に近しく設計されています。

市街地での取り回しやすさを意識した、日本の道路事情に適したサイズ感です。

  • エルフ標準:全長4,690mm × 全幅1,695mm × 全高1,960mm  
  • キャンター標準:全長4,690mm × 全幅1,695mm × 全高1,990mm  
  • 両車ともワイドやロングなど多彩な設定あり

標準ボディの全長と全幅はほぼ同じで、直接的な競合であることがわかります。

ただし、両車ともにロングボディやワイドキャブなど、用途に応じた豊富なバリエーションが用意されています 。  

最大積載量を比較

最大積載量においても、両車は小型トラックの主要なセグメントをカバーしています。

一般的に利用される2トンクラスを中心に、幅広いニーズに対応可能です。

  • エルフは主に1.5トンから3.0トンクラスが中心  
  • キャンターも1.5トンから3.0トンクラスが豊富  
  • キャンターには4トンを超える設定も存在する  

どちらも一般的な2トン積載のモデルが主力ですが、より多くの積載量を求める場合はキャンターに選択肢があります。

事業内容に応じて、必要な積載量を確保できるモデルを選ぶことが重要です。

車両総重量を比較

車両総重量(GVW)は、運転に必要な免許の種類に関わる重要な数値です。

両メーカーとも、多くのドライバーが運転できるよう車両総重量を意識して設計しています。

  • 多くのモデルが車両総重量5.0トン未満に設定
  • 旧普通免許(準中型5t限定)で運転可能  
  • ドライバーの確保しやすさに直結する

例えばエルフの2トン積載車で車両総重量4,775kgのモデルがあります 。  

車両総重量が5.0トン未満であれば、より幅広い人材が運転できるため、運送会社にとって大きなメリットとなります。

エンジンを比較

エンジンは、エルフとキャンターを比較するうえで最も大きな違いが現れる部分です。

両社の設計思想や信頼性に関する評価が、このエンジンに集約されているといえるでしょう。

  • エルフ:信頼と実績の自社製「4JJ1/4JZ1」エンジン  
  • キャンター:フィアットと共同開発の「4P10」エンジン  
  • 信頼性評価で大きな差がある

エルフのエンジンは頑丈でトルクフルという定評があり、プロの現場で絶大な信頼を得ています 。  

一方、キャンターの4P10エンジンは、インジェクターなどの不具合報告が多く、信頼性に懸念の声があがっています 。  

走行性能を比較(特に登坂力)

エンジンの特性は、実際の走行性能、特に荷物を積んだ状態での登坂力に直結します。

力強さを感じるエルフと、シャシー性能で安定させるキャンターという違いが見られます。

  • エルフ:低回転から力強いトルクで坂道をぐいぐい登る  
  • キャンター:エルフほどのトルク感はなく、中高速域での伸びが今一歩との評価  
  • キャンターは足回りの良さで高速安定性は高い  

フル積載での発進や登坂路では、エルフのトルクフルなエンジンが頼もしく感じられる場面が多いでしょう。

キャンターはハンドリングや乗り心地が優れる半面、パワー不足を感じるという意見が見られます 。  

小回り性能を比較

狭い路地や駐車場での取り回しに影響する小回り性能は、両車とも高いレベルにあります。

都市部での配送業務を主な用途として想定しているため、どちらも優れた操舵性を備えています。

  • キャンター:最小回転半径5.1m(一部モデル)  
  • キャンターはハンドリング性能の評価が高い  
  • エルフも運転のしやすさに定評がある  

特にキャンターは、その優れたハンドリング性能から小回り性能にも定評があります。

エルフも直接のライバルとして、市街地での機動性はじゅうぶんに確保されています。

変速機を比較

マニュアル操作を自動化したトランスミッションは、ドライバーの疲労軽減に大きく貢献します。

エルフとキャンターは、この点でまったく異なる技術アプローチを採用しています。

  • エルフ:シングルクラッチ式のAMT「スムーサー」  
  • キャンター:デュアルクラッチ式のDCT「デュオニック」  
  • 構造的な違いが乗り心地に大きく影響する

スムーサーは構造が比較的シンプルですが、デュオニックはより複雑で高度な技術です。

この変速機の違いが、次のミッションのフィーリング比較で重要なポイントになります。

静かさを比較

長時間の運転において、室内の静粛性はドライバーの疲労度に大きく影響します。

この比較では、エンジン音の質と大きさでエルフに軍配があがります。

  • エルフ:巡行時のエンジン音が静かで軽快な印象  
  • キャンター:エンジンノイズが大きく、特に高音が耳につくとの評価  
  • エルフのアイドル時車外騒音は63.5dBと低い  

キャンターは「カラカラ」という高周波のエンジン音が目立つという意見が見られます 。  

静かな運転環境を求めるのであれば、エルフのほうがより快適に感じられるでしょう。

視野性を比較

安全運転の基本となる視界の広さや見やすさについては、両車ともによく考えられています。

どちらも大きなミラーや視界を妨げない設計で、死角を減らす工夫がされています。

  • エルフ:ミラーが見やすいと高く評価されている  
  • キャンター:着座位置が高く、広い視界を確保  
  • 両車とも死角を減らすための大型ミラーを採用  

エルフはその見やすいミラーに定評があり、キャンターは運転席からの見晴らしの良さが特徴です。

甲乙つけがたい部分ですが、どちらを選んでも視界に関する不満は少ないでしょう。

乗り心地を比較

乗り心地は、キャンターがエルフを圧倒的にリードしている項目です。

毎日長時間トラックに乗るドライバーにとって、この違いは非常に大きいといえます。

  • キャンター:路面からの突き上げが少なく、圧倒的に快適  
  • エルフ:乗り心地が硬く、路面の凹凸を拾いやすい  
  • あるレビューでは「エルフの苦痛はキャンターの3分の1」と表現  

キャンターの乗り心地の良さは、優れたサスペンションと柔らかいシートによるものです 。  

ドライバーの疲労軽減や定着率を考えるなら、キャンターの乗り心地は大きなアドバンテージになります。

人気理由を比較

両車が長年にわたり小型トラック市場で支持されてきたのには、明確な理由があります。

それぞれの持つ魅力が、異なるユーザー層からの人気を集めているのです。

  • エルフ:エンジンの信頼性と耐久性が人気の根幹  
  • キャンター:先進技術とドライバー本位の快適性  
  • ユーザーが何を重視するかで人気が分かれる

エルフは「とにかく壊れない道具」としての信頼性が、長年の人気を支えています。

キャンターは、快適な乗り心地や最新の安全装備など、運転する人のことを考えた作りが評価されています。

デメリットを比較

どんなに優れたトラックでも、必ず弱点や不得意な点は存在します。

両車のデメリットを理解することは、購入後の後悔を避けるために不可欠です。

  • エルフ:乗り心地の硬さと、旧型スムーサーの変速フィール  
  • キャンター:4P10エンジンの信頼性への懸念と、エンジン音の大きさ  
  • DPF関連のトラブルは両車共通の注意点  

エルフの最大の弱点は乗り心地の硬さであり、長距離運転では体にこたえるかもしれません。

キャンターはエンジンの信頼性が最大の懸念事項で、業務用の車両としては大きなリスクとなり得ます。

燃費を比較

燃料費はトラックの維持費の大部分を占めるため、燃費性能は非常に重要です。

カタログ上の数値では、両車は非常に近い燃費性能を持っています。

  • エルフ:代表的な燃費値は11.8km/L  
  • キャンター:モデルにより7.80〜13.20km/Lと幅がある  
  • 実燃費は積載量や走行状況で大きく変動する

エルフは安定して11km/L台の燃費性能を発揮するモデルが多いようです 。  

キャンターは幅広いラインナップを反映して燃費値にも差がありますが、主力モデルはエルフと同等レベルです 。  

維持費を比較

トラックの維持費は、燃料費や税金だけでなく、予期せぬ修理費用も考慮に入れる必要があります。

月々のリース料などは同等ですが、故障リスクの観点から考えることが重要です。

  • リース料金の目安は両車で大きな差はない  
  • 車検費用などの法定費用も同等レベル  
  • キャンターはエンジン関連の高額な修理リスクを考慮する必要がある

キャンターの4P10エンジンは、故障した場合の修理費用が高額になる可能性があります 。  

計画的な維持費だけでなく、突発的な出費のリスクまで含めると、エルフの方が安心して運用できるかもしれません。

価格を比較

車両本体の価格は、新車・中古車ともに幅広い価格帯で設定されています。

仕様や年式によって大きく変動するため、一概にどちらが高い・安いとは言えません。

  • エルフ新車価格帯:約463万~750万円
  • キャンター新車価格帯:約653万円~
  • 中古車市場ではどちらも豊富な在庫がある

新車の価格設定を見ると、エルフの方がより安価なエントリーモデルを用意しているようです 。  

中古車価格は、年式、走行距離、架装などによって大きく左右されるため、個別の車両ごとにていねいに比較検討する必要があります 。  

リセールバリューを比較

リセールバリュー(再販価値)は、車両を資産として考えた場合の総所有コストに大きく影響します。

この点では、信頼性の評価が直接的に反映され、エルフがキャンターを大きく上回っています。

  • エルフの5年後残価率:51.30%  
  • キャンターの5年後残価率:38.24%  
  • 10%以上の大きな差がある

エルフは5年後も新車価格の半額以上の価値を維持する、非常に高いリセールバリューを誇ります。

これは、中古車市場でもエルフのエンジン信頼性が高く評価されていることの証左といえるでしょう。

耐久性を比較

業務で毎日使われるトラックにとって、長期間にわたって性能を維持できる耐久性は不可欠です。

特にエンジンを含めた総合的な耐久性では、エルフに軍配があがります。

  • エルフ:エンジンが頑丈で、数十万kmの走行にも耐えうる  
  • キャンター:シャシーは頑丈だが、エンジンの耐久性に懸念  
  • 適切なメンテナンスが寿命を延ばす鍵

小型トラックの寿命の目安は50万kmとも言われますが、エルフはその期待に応える耐久性で知られています 。  

キャンターも車体自体の耐久性は高いものの、エンジン関連のトラブルが全体の寿命に影響する可能性があります。

安全性を比較

近年のトラックは、事故を未然に防ぐための先進安全装備が飛躍的に進化しています。

エルフとキャンターは、どちらもトップクラスの安全性能を備えていますが、それぞれに特徴的な機能があります。

  • エルフ:ステレオカメラを用いた高精度なプリクラッシュブレーキ  
  • キャンター:国内小型トラック初の「アクティブ・サイドガード・アシスト」  
  • 両車とも車線逸脱警報や車両安定性制御装置を搭載

キャンターが搭載する左折巻き込み防止支援機能は、交通量の多い市街地で大きな効果を発揮します 。  

エルフも交差点での警報機能を備えるなど、多様な事故パターンに対応する安全思想が反映されています 。  

保証を比較

万が一の故障に備えるメーカー保証は、安心してトラックを運用するための重要な制度です。

基本保証は両車同じですが、延長保証のプランに違いが見られます。

  • 基本保証(特別保証):5年または10万kmで両車共通  
  • キャンター:最長8年または18万kmまでの延長保証「EXプラン」を用意  
  • エルフもディーラーでの継続車検を条件とした延長保証がある  

キャンターが提供する手厚い延長保証は、エンジンへの信頼性に不安を感じるユーザーへの配慮とも考えられます。

どちらのメーカーも、正規ディーラーでの定期的なメンテナンスを保証適用の条件としています 。  

信頼性を比較

車両全体の信頼性という観点では、やはりエンジン評価が大きく影響します。

ブランドイメージとしても、「信頼のいすゞ」という評価が市場に定着しています。

  • いすゞ:ディーゼルエンジンへの信頼性がブランドの核  
  • 三菱ふそう:ダイムラーグループの一員として高い品質を目指す  
  • キャンターは4P10エンジンの問題が信頼性評価に影響

いすゞは商用車専門メーカーとして、過酷な使用環境下での信頼性を長年にわたり追求してきました 。  

三菱ふそうも世界的な商用車グループの一員として高い品質基準を持っていますが、キャンターに関しては特定のエンジン問題が評価を下げています 。  

運営会社を比較

両車を製造するメーカーは、それぞれ異なる背景と強みを持っています。

エルフを製造するのは、日本の商用車業界を代表する、いすゞ自動車株式会社です 。  

  • いすゞ自動車株式会社:日本の商用車・ディーゼルエンジンの専門メーカー
  • 三菱ふそうトラック・バス株式会社:独ダイムラー・トラックグループの一員
  • 企業の背景が製品開発の思想にも影響

一方、キャンターを製造する三菱ふそうトラック・バス株式会社は、世界最大の商用車メーカーであるダイムラー・トラックの傘下にあります 。  

グローバルな技術力と、日本の市場ニーズを融合させた製品開発が特徴です。

注意点を比較

トラックを長く良好な状態で使用するためには、日常的な点検が欠かせません。

特に近年のディーゼル車は、排ガス浄化装置に関連する特有の注意点があります。

  • エルフ:DPD(排ガス浄化装置)の詰まりに注意  
  • キャンター:エンジンオイル量の増加に要注意  
  • 短距離走行やアイドリングの多用はDPF/DPDに負荷をかける

エルフは、DPDの再生がうまく行われないと警告灯が点灯し、性能低下につながります 。  

キャンターは、燃料がエンジンオイルに混入してオイル量が増える現象が報告されており、上限を超えたまま走行を続けるとエンジン破損の危険があります 。  

まとめ(比較表)

最後に、これまで見てきた25項目の比較内容を詳細なスペック表としてまとめます。

この表を見返すことで、あなたのビジネスに最適なトラックがどちらなのか、最終的な判断を下す助けとなるでしょう。

項目エルフキャンター
ボディサイズ(例)全長4,690×全幅1,695×全高1,960mm  全長4,690×全幅1,695×全高1,990mm  
最大積載量1.5t〜3.0tが中心  1.5t〜4.8tまで設定あり  
エンジン型式4JJ1 / 4JZ1  4P10  
総排気量2,999cc  2,998cc  
最高出力(例)150PS/2,800rpm  110PS〜175PS  
燃費(目安)11.8km/L  7.80〜13.20km/L  
ミッションスムーサー (AMT)  デュオニック (DCT)  
5年後リセール価値51.30%  38.24%  
保証期間(特別)5年/10万km  5年/10万km  
延長保証(最大)ディーラー車検で延長  8年/18万km  

【エルフ vs キャンター】よくある故障を比較

エルフとキャンターのよくある故障比較

トラック選びにおいて、故障のリスクは最も避けたい要素の一つです。

ここでは、両車で報告されている代表的な故障事例を比較し、その原因と対策を探ります。

エルフの主な故障

エルフの故障で最もよく挙げられるのは、排ガス浄化装置であるDPD関連のトラブルです。

これは、現代のクリーンディーゼル車に共通する課題ともいえます。

  • DPDインジケータランプの点灯・点滅
  • 手動再生が必要になる頻度の増加
  • DPD本体の詰まりによる交換

これらの原因の多くは、短距離走行やアイドリングの多用など、排気温度が上がりにくい運転状況にあります 。  

エンジン本体の機械的な故障は少なく、その信頼性の高さがうかがえます。

キャンターの主な故障

キャンターで最も注意すべき故障は、4P10エンジンとその周辺部品、特に燃料系統です。

「日本で最も不具合の多いトラックエンジン」とまで言われることもあります 。  

  • インジェクターの詰まりや故障
  • サプライポンプ(燃料ポンプ)の不具合
  • 走行中のエンジンストール

これらの不具合は、加速時や走行中に突然発生することもあり、重大な事故につながる危険性もはらんでいます 。  

診断機にかけると多数のエラーコードが表示されることも多く、原因究明が難しいケースもあるようです 。  

【エルフ vs キャンター】口コミ評判を比較

エルフとキャンター口コミ評判比較

実際に両車を使用しているユーザーからの声は、カタログスペックだけではわからない実態を教えてくれます。

ここでは、エルフとキャンターの口コミ評判をまとめ、それぞれの評価を探ります。

エルフの口コミ評判

エルフの評判は、「信頼できる仕事の相棒」という言葉に集約されます。

プロのドライバーから、その実用性と耐久性が高く評価されているのが特徴です。

  • 「エンジンがとにかく頑丈で安心感がある」  
  • 「パワフルで荷物を積んでもよく走る」  
  • 「乗り心地は硬いが、仕事用と割り切れば問題ない」  

一方で、乗り心地の硬さや、旧型スムーサーの変速ショックに対する不満の声も見られます 。  

快適性よりも、道具としての信頼性や性能を重視するユーザーに選ばれているトラックです。

キャンターの口コミ評判

キャンターの評判は、その運転のしやすさと快適性に集中しています。

特に乗り心地の良さは、多くのドライバーから絶賛されているポイントです。

  • 「トラックとは思えないほど乗り心地が良い」  
  • 「ハンドリングが素直で運転しやすい」  
  • 「デュオニックの変速がスムーズで疲れない」  

しかし、その一方でエンジンに対するネガティブな意見も少なくありません 。  

「エンジン音がうるさい」「パワー不足を感じる」「故障が心配」といった声が、その評価を二分しています 。  

よくある質問|【エルフ vs キャンター】どっちがいい?トラックを徹底比較

  • キャンターが安い理由は?
  • キャンターに壊れやすい年代はある?
  • キャンターは故障が多い?
  • キャンターの乗り心地は悪い?
  • 新型キャンターの悪いところは?
  • 新型キャンターの売れ行きは?
  • ダイナとエルフを比較してどう?
  • 小型トラックのよくある故障ランキングは?

キャンターが安い理由は?

中古車市場において、キャンターが同等条件のエルフより安価な傾向にあるのは事実です。

その主な理由は、リセールバリューの差と、市場での信頼性評価が影響していると考えられます。

  • エルフに比べてリセールバリューが低い  
  • 4P10エンジンの信頼性への懸念による需要の差
  • 新車に比べて中古車は価格が下がりやすい  

購入時の価格を抑えられる点はメリットですが、その背景にある理由も理解しておく必要があります。

長期的な維持費や再販時の価格まで含めて、トータルコストで判断することが賢明です。

キャンターに壊れやすい年代はある?

特定の年代というよりは、搭載されているエンジンによって故障リスクが指摘されています。

具体的には、2010年以降に導入された4P10エンジン搭載モデルに注意が必要です 。  

  • 2010年以降の4P10エンジン搭載車  
  • 特にエンジン制御や触媒関係の不具合が多い  
  • インジェクターや燃料ポンプのトラブル報告  

この年代のモデルは、排出ガス規制への対応で複雑なシステムを採用したことが、不具合の一因とも考えられています。

中古車を検討する際には、この点を特に留意し、整備記録などをしっかり確認することが重要です。

キャンターは故障が多い?

はい、特に4P10エンジンと燃料系統に関しては、故障が多いという評価が一般的です 。  

走行中にエンジンが停止するといった重大なトラブルも報告されており、業務用の車両としては看過できない問題です。

  • 4P10エンジン本体の不具合  
  • インジェクターや燃料ポンプなどの燃料系統  
  • トランスミッション(デュオニック)関連のトラブル

もちろん、全てのキャンターが故障するというわけではありませんが、競合であるエルフに比べて故障リスクが高いことは否めません。

手厚い延長保証制度が用意されているのも、こうした背景があるからかもしれません 。  

キャンターの乗り心地は悪い?

いいえ、その逆で、キャンターの乗り心地は小型トラックの中でトップクラスに良いと評価されています。

多くのレビューで、エルフや他の競合車種よりも圧倒的に快適であると述べられています 。  

  • 独立懸架式フロントサスペンションの採用  
  • 衝撃吸収性に優れたシートクッション  
  • ショックアブソーバーの性能

乗り心地の悪さを感じた場合は、ショックアブソーバーなどの足回り部品が劣化している可能性があります 。  

長距離運転におけるドライバーの疲労軽減という点では、キャンターの乗り心地は大きなメリットです。

新型キャンターの悪いところは?

新型キャンターは多くの点で改良されていますが、依然としていくつかの課題が指摘されています。

長年にわたる市場の評価が、新型車にも影響を与えている部分があります。

  • 4P10エンジンの信頼性に対する根強い懸念
  • エルフと比較して大きいとされるエンジン音  
  • 一部のユーザーから指摘されるパワー不足感  

特にエンジンの信頼性については、メーカーも改良を重ねていますが、一度ついたイメージを払拭するには至っていません。

また、坂道発進が苦手、リコールが多いといった過去のモデルに対する口コミも見られます 。  

新型キャンターの売れ行きは?

キャンター全体の正確な販売台数データはありませんが、先進的なモデルは市場に受け入れられています。

特に、電動小型トラックである「eキャンター」は、世界的に注目を集めています。

  • eキャンターはグローバルで300台以上の販売実績  
  • 環境意識の高い大手企業などにも導入されている
  • 先進性が市場での評価につながっている

eキャンターの成功は、三菱ふそうの技術力の高さを示すものです。

この先進技術が、将来的にディーゼルモデルの信頼性向上にもつながることが期待されます。

ダイナとエルフを比較してどう?

トヨタのダイナも、エルフやキャンターと並ぶ小型トラックの代表的な車種です。

エルフと比較した場合、乗り味や操作感にそれぞれ特徴があります。

  • シフト操作の感覚はエルフの方が乗用車に近い  
  • シートの出来はダイナの方が良いとの意見も  
  • 乗り心地は両車とも硬めのセッティング  

また、現行モデルでは、車両総重量3.5トン未満のクラスで、エルフがディーゼル車を設定しているのに対し、ダイナはガソリン車のみという違いがあります 。  

パワートレインの選択肢という点で、エルフにアドバンテージがあるといえるでしょう。

小型トラックのよくある故障ランキングは?

小型トラックで最も多く、また深刻な故障として挙げられるのは「エンジンブロー」です。

これはエンジンが内部から深刻なダメージを受け、機能しなくなる状態を指します 。  

  • 1位:エンジンブロー(エンジン本体の破損)
  • 2位:燃料系統のトラブル(インジェクター、燃料ポンプなど)
  • 3位:排ガス浄化装置(DPF/DPD)の詰まり

エンジンブローの最大の原因は、エンジンオイルのメンテナンス不足です 。  

定期的なオイル交換を怠ることが、最も重大な故障につながるということを覚えておく必要があります。

まとめ|【エルフ vs キャンター】どっちがいい?トラックを徹底比較

エルフとキャンターどっちがいい
  • おすすめな人
    • 長期的な信頼性と資産価値、パワフルな走りを求めるなら「エルフ」。
    • ドライバーの快適性、疲労軽減、市街地での先進的な安全性を重視するなら「キャンター」。
  • 性能比較の要点
    • エンジン性能、耐久性、リセールバリューではエルフが明確に優位。
    • 乗り心地、ミッションの滑らかさ、独自の安全装備ではキャンターが優位。
  • 故障とリスク
    • エルフはDPDの管理が重要。使い方によってはメンテナンス頻度が上がる。
    • キャンターは4P10エンジンの信頼性が最大の懸念点。高額な修理リスクを考慮する必要がある。
  • 最終的な判断基準
    • ビジネスにおける最優先事項が何かを明確にすることが重要。「コストと信頼性」か、「人材と快適性」か、という視点で選択が分かれる。


いすゞ「エルフ」と三菱ふそう「キャンター」。

どちらも日本の物流を支える優れた小型トラックですが、その個性は大きく異なります。

この記事で比較した25の項目を参考に、あなたのビジネスにとってどちらが最適なパートナーとなるか、じっくりとご検討ください。

最終的には、ぜひ一度両車を試乗し、その違いをご自身で体感してみることを強くおすすめします。






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