「いすゞギガは尿素系のトラブルが多いって本当?」
「DPDの故障が心配…」
「修理代が高くつくと聞いた」
など、ギガの故障に関する不安の声は少なくありません 。
運送業務において、トラックの故障は大きな機会損失に直結します。
万が一走行不能な故障が発生すれば、事業計画に深刻な影響をおよぼすでしょう。
しかし、ご安心ください。
本記事では、ギガの故障が多いといわれる真相、具体的な故障事例と対策、修理費用、そして中古車選びの注意点まで徹底解説します。
この記事を読むことで、いすゞギガの信頼性を知ることができ、安心して車両の購入や維持管理ができるようになります。
記事のポイント
- ギガの故障評判の真相
- よくある故障箇所と対策
- 具体的な修理費用の目安
- 中古ギガ購入時の注意点
- 10年落ちでも高く売れる理由
いすゞ・ギガに「故障が多い」のは本当か?
いすゞギガに「故障が多い」という評判は、運送業界でしばしば耳にするテーマです。
実際のところ、特定の箇所に弱点を抱えているのは事実といえるでしょう。
- ギガの故障に関する評判・口コミ
- 他メーカーとの故障率比較
- J.D.パワーの顧客満足度調査結果
しかし、客観的なデータを見ると、ギガの評価は決して低くありません。
くわしく見ていきましょう。
ギガの故障に関する評判・口コミ
ユーザーレビューや整備士の声を見ると、具体的な故障事例が報告されています。
特に尿素SCRシステムやDPD(排出ガス浄化装置)関連のトラブルは頻繁に指摘されるポイントです 。
- 尿素(AdBlue)システムのセンサー異常
- DPD(排出ガス浄化装置)のトラブル
- スムーサーG(トランスミッション)の故障
一方で、「エンジンが静かで低振動」といった基本性能を高く評価する声も多く存在します 。
ギガは特定の弱点を持ちつつも、ドライバーからの根強い人気をほこるトラックなのです。
他メーカーとの故障率比較
ギガの故障が特別に多いのか、他メーカーと比較して考えてみましょう。
実は、DPF関連のトラブルは三菱ふそうの車両でもよく聞かれる問題です 。
- 三菱ふそう:DPF関連のトラブルが指摘される
- UDトラックス:一部ユーザーから故障が多いとの声
- 日野自動車:故障が少なく耐久性が高いと評価
UDトラックスのクオンも一部で故障の多さが指摘されることがあります 。
近年のトラックは環境性能を高めるために機構が複雑化しており、どのメーカーも同様の課題を抱えているのが実情です。
J.D.パワーの顧客満足度調査結果
客観的な評価として、J.D.パワーの顧客満足度調査は重要な指標となります。
この調査において、いすゞは大型トラック部門で常に上位にランクインしています。
- 車両性能や耐久性を評価
- アフターサービスや営業対応も評価対象
- 日野自動車に次ぐ第2位を維持
2019年の調査では、日野自動車に次いで第2位という高い評価を獲得しました 。
「故障が多い」という評判とは裏腹に、所有者の総合的な満足度は非常に高い水準にあることがわかります。
いすゞ・ギガに「故障が多いといわれる背景」
ギガに「故障が多い」というイメージが定着した背景には、いくつかの理由が考えられます。
技術の進化と、それにともなう構造の複雑化が大きく影響しているのです。
- DPDや尿素SCRシステムなど複雑な機構
- センサー類の多用と電子制御の進化
- 過去の多数のリコール情報
これらの要因が重なり、ユーザーが「故障しやすい」と感じる状況を生み出しています。
くわしく見ていきましょう。
DPDや尿素SCRシステムなど複雑な機構
現代のトラックに不可欠な排出ガス浄化装置は、故障の主な原因の一つです。
DPDや尿素SCRシステムは、煤(すす)や有害物質を除去するために非常に重要な役割を担います。
- 短距離走行では煤がたまりやすい
- DPDの再生が正常に行われず詰まりが発生
- システムの異常はエンジンチェックランプで警告
しかし、これらのシステムは構造が複雑で、特に市街地走行が多い車両では詰まりなどの不具合が発生しやすくなります 。
この問題はギガに限らず、現代のディーゼルトラック共通の課題といえるでしょう。
センサー類の多用と電子制御の進化
近年のギガは、燃費向上や安全性能向上のために多数のセンサーと電子制御システムを搭載しています。
先進視覚サポート(VAT)のような安全装備も、センサーの異常で警告が表示されることがあります 。
- エンジン制御用の各種センサー
- 排出ガス浄化システム用のセンサー
- 先進安全装備用のカメラやレーダー
部品点数が増えれば、それだけ故障のリスクも高まるのは避けられません。
特に整備士からは「すぐにエンジンチェックランプが点灯する」という指摘もあり、センサーが過敏に反応する傾向があるようです 。
過去の多数のリコール情報
ギガの信頼性に関する評判には、過去に実施された大規模なリコールも影響しています。
国土交通省へ届け出られたリコールは、ユーザーに不安を与える大きな要因です。
- エンジンピストンの不具合(走行不能のおそれ)
- ターボチャージャーの不具合(火災事故17件発生)
- 運転席シートの不具合(1万6780台対象)
特に火災事故につながるような重大な不具合は、強く記憶に残ります 。
これらの過去の事例が積み重なり、「ギガは故障が多い」というイメージを形成する一因となっているのです。
いすゞ・ギガの「よくある故障と対策」
いすゞギガで報告される故障には、いくつかの典型的なパターンがあります。
これらの原因と対策を事前に知っておくことで、トラブルを未然に防ぐことが可能です。
- エンジン・DPD関連のトラブル
- スムーサーG(トランスミッション)の不具合
- 電装系・センサー類の故障
それぞれの故障について、具体的な症状と有効な対策を解説します。
くわしく見ていきましょう。
エンジン・DPD関連のトラブル
ギガの心臓部であるエンジンと、排出ガス浄化を担うDPDは最も注意すべき箇所です。
DPDは使用とともに燃焼しないアッシュ(灰)が堆積し、詰まりの原因となります 。
- DPDの詰まりによる出力低下や燃費悪化
- インジェクターの不具合によるエンジン不調
- エンジンからのオイル漏れ
対策として最も重要なのは、DPDの定期的な手動再生とプロによる洗浄です。
また、DPD対応の純正エンジンオイルを使用することも、アッシュの堆積を抑える上で効果的です 。
スムーサーG(トランスミッション)の不具合
いすゞ独自のセミオートマチックトランスミッション「スムーサーG」も、故障が報告されることが多い箇所です。
「変速ショックが大きい」「ギアが入らない」といった症状が発生します。
- 電子制御システムの不具合
- 油圧系統のトラブル
- クラッチ関連部品の摩耗
ユーザーからは「スムーサーの故障が頻発する」との声が上がっています 。
対策としては、定期的な作動油の交換や、ディーラーでの診断が不可欠です。
電装系・センサー類の故障
現代のトラックは電子機器のかたまりであり、電装系のトラブルは避けられません。
ギガも例外ではなく、様々なセンサーの故障が報告されています。
- AdBlue(尿素水)噴射異常(センサー故障)
- 先進視覚サポート(VAT)の異常警告
- パワーウィンドウのモーター故障
トラック全体の故障ランキングでも、バッテリーやオルタネーターといった電気装置は上位を占めています 。
これらのトラブルは個人での対処が難しいため、異常を感じたら速やかに専門家へ相談することが重要です。
いすゞ・ギガの「修理費用(概算)」
ギガの維持を考える上で、修理費用は避けて通れない問題です。
特に高額になりがちな修理の費用感を事前に把握しておくことは非常に重要です。
- DPF洗浄・交換の費用目安
- トランスミッション修理の費用目安
- その他(ガラス交換・雨漏り等)の費用目安
ここでは、主な修理項目ごとにかかる費用の概算をまとめました。
くわしく見ていきましょう。
DPF洗浄・交換の費用目安
DPD(DPF)関連の修理は、ギガの維持費において最も大きな割合を占める可能性があります。
詰まりがひどくなると、洗浄または交換という選択を迫られます。
- DPF洗浄:約10万円前後
- DPF交換(新品):50万円~100万円以上
- リビルト品:新品よりは安価だが高額
DPFを新品に交換する場合、費用は非常に高額になります 。
そのため、まずは専門業者による洗浄を検討するのが経済的な選択といえるでしょう。
トランスミッション修理の費用目安
スムーサーGをはじめとするトランスミッションの修理も、高額になりやすい項目です。
故障の程度によりますが、ユニット交換が必要になるケースも少なくありません。
- 新品ユニット交換:本体約54万円+工賃
- リビルト品ユニット交換:本体約37.5万円+工賃
- 工賃:約7万円~8万円
リビルト品(再生部品)を活用することで、費用をある程度抑えることが可能です。
それでも合計で45万円程度の出費は覚悟する必要があるでしょう。
その他(ガラス交換・雨漏り等)の費用目安
DPFやミッション以外にも、様々な修理が発生する可能性があります。
日々の業務に支障をきたす前に、早めの対処が肝心です。
- フロントガラス交換(社外品):約39,000円~
- 雨漏り修理(シーリング):約110,000円
- エアコンクリーニング(風量改善):約55,000円
これらの費用も積み重なると大きな負担になります。
以下の表に主な修理費用の目安をまとめましたので、参考にしてください。
修理項目 | 費用目安 | 備考 |
DPF/DPD 洗浄 | 約 101,200円 | 往復送料込みの場合あり |
DPF/DPD 交換 | 500,000円~1,000,000円超 | 新品の場合。高額になる傾向 |
トランスミッション交換 (リビルト品) | 約 450,000円 | 本体約37.5万円+工賃約7-8万円 |
フロントガラス交換 (社外品) | 39,000円~ | 社外輸入品の場合 |
雨漏り修理 (シーリング) | 約 110,000円 | 材料費6万円+工賃5万円 |
カーエアコンクリーニング | 約 55,000円 | 風量改善のため |
いすゞ・ギガの故障を減らすための「日常メンテナンス」
高額な修理費用を避けるためには、日々のメンテナンスが何よりも重要です。
ドライバー自身が実践できる簡単なチェックで、ギガの寿命を大きく延ばすことができます。
- DPD手動再生の正しい知識とコツ
- エンジンオイル・バッテリーの管理
- 定期的なプロによる点検の重要性
ここでは、故障を未然に防ぐための具体的なメンテナンス方法を紹介します。
くわしく見ていきましょう。
DPD手動再生の正しい知識とコツ
DPDの性能を維持し、詰まりを防ぐためには手動再生が不可欠です。
インジケーターランプの点滅は、手動再生が必要なサインです 。
- 安全で燃えやすいものがない場所に停車する
- エンジンが暖まった状態でスイッチを押す
- 再生時間は約15分~20分
ランプの点滅を無視して走行を続けると、システムがロックされディーラーでの修理が必要になる場合があります 。
運行終了後など、時間のある時にこまめに実施することが故障予防の鍵です。
エンジンオイル・バッテリーの管理
エンジンオイルとバッテリーは、トラックのコンディションを左右する重要な要素です。
特にオイルは、DPDの寿命にも大きく関わってきます。
- 必ずDPD対応のエンジンオイルを使用する
- 適切な粘度のオイルを選ぶ
- バッテリー液量を定期的に確認する
DPD非対応のオイルを使用すると、アッシュが生成されやすくなり、DPFの早期詰まりにつながります。
また、長期保管する際はバッテリーケーブルを外すなど、過放電を防ぐ工夫も大切です 。
定期的なプロによる点検の重要性
ドライバーによる日常点検に加えて、プロの整備士による定期的な点検も欠かせません。
目に見えない部分の劣化や、電子システムの異常を早期に発見できます。
- 専用の診断機によるエラーコードのチェック
- 足回りやブレーキ系統の詳細な点検
- DPD内部のアッシュ堆積量の確認
特に電子制御が進んだ現代のギガでは、専門的な知識と機材がなければ診断できない箇所が増えています。
定期的なプロのチェックを受けることが、結果的に大きなトラブルと出費を防ぐことにつながるのです。
いすゞ・ギガの「リコール情報の有無」
いすゞ自動車は、ギガに関するリコール情報を随時公開しています。
リコールは安全性に関わる重要な情報であり、所有者は必ず確認する必要があります。
- 近年の主なリコール事例
- リコール情報の確認方法
- リコール対象だった場合の対応
ここでは、近年の主なリコール事例と、ご自身の車両が対象かどうかを確認する方法を解説します。
くわしく見ていきましょう。
近年の主なリコール事例
近年でも、ギガは複数の大規模なリコールを届け出ています。
これらの情報は、ギガの弱点を把握する上でも参考になります。
- 2025年6月:運転者席シートの不具合(対象1万6780台)
- 2023年6月:電気装置(シャシハーネス)の不具合(対象1518台)
- 2021年10月:ターボチャージャーの不具合(対象約3万8000台、火災17件)
特にターボチャージャーの不具合は火災事故にまで発展しており、記憶に新しい方も多いでしょう 。
リコールは設計や製造過程の問題をメーカーが認めて無償修理する制度であり、迅速な対応が求められます 。
リコール情報の確認方法
ご自身のギガがリコールの対象になっていないかを確認するには、公式サイトを利用するのが最も確実です。
車台番号を入力することで、簡単に検索することができます。
- いすゞ自動車の公式サイトで確認
- 国土交通省の自動車リコール情報検索サイトで確認
- 販売店からのダイレクトメールや訪問による案内
リコール対象の可能性がある車両の所有者には、販売会社から案内が届きます 。
しかし、中古車で購入した場合など、案内が届かないケースもあるため、定期的にご自身で確認することをおすすめします。
リコール対象だった場合の対応
もし所有する車両がリコール対象だった場合は、速やかに最寄りのいすゞ販売会社へ連絡してください。
リコールの修理は、すべて無料で実施されます 。
- 最寄りのいすゞ販売会社に連絡し、入庫予約をする
- 修理費用はメーカー負担のため無料
- 改善措置の内容はリコール情報に明記されている
リコール内容によっては、部品の交換だけでなく制御プログラムの書き換えなどが行われます。
安全な運行を続けるために、案内に気づいたら放置せず、必ず修理を受けるようにしましょう。
いすゞ・ギガの「修理か売却かの決め手」
愛車のギガに高額な修理が必要になったとき、「修理して乗り続けるか」「売却して乗り換えるか」は大きな決断です。
この判断を誤ると、経済的に大きな損失を被る可能性があります。
- 修理費用と車両の市場価値を比較
- 走行距離と今後の使用計画
- 乗り換えのタイミングとメリット
ここでは、後悔しないための判断基準を3つのポイントから解説します。
くわしく見ていきましょう。
修理費用と車両の市場価値を比較
最も重要な判断基準は、修理費用と現在の車両価値のバランスです。
修理費用が車両の市場価値を上回る場合は、売却を検討するべきでしょう。
- DPF交換費用(例:60万円)と車両価値を比較
- 10年落ちギガの平均買取価格は約140万円~288万円
- 事故歴や過走行は価値を下げる要因
例えば、車両の価値が100万円のところに60万円の修理費をかけるのは合理的とはいえません。
まずは買取専門業者に査定を依頼し、愛車の正確な市場価値を把握することから始めましょう。
走行距離と今後の使用計画
走行距離と、今後そのトラックをどのくらい使用する予定なのかも重要な判断材料です。
走行距離が100万kmを超えているような車両は、さらなる故障のリスクも高まります 。
- 走行距離が多いほど、他の部品の劣化も進んでいる
- あと何年、何kmそのトラックで業務を行うか
- 事業計画(車両の入れ替え時期など)との兼ね合い
もし数年以内に車両の入れ替えを計画しているのであれば、高額な修理は控えて売却する方が賢明です。
逆に、まだ長期間使用する予定であれば、修理は将来への投資と考えることもできます。
乗り換えのタイミングとメリット
故障が発生してから慌てて売却するよりも、計画的に乗り換える方が有利です。
動かなくなる前に売却することで、高価買取が期待できます。
- DPFの詰まりなど、予測できる大きな故障が発生する前に売却
- 車検が残っているうちに売却すると査定額が上がりやすい
- 新しい車両に乗り換えることで燃費向上や最新の安全装備の恩恵を受けられる
トラックの需要が高まる決算期前(1月~3月)などを狙うのも一つの戦略です 。
修理か売却かで迷った際は、一度買取査定を受けてみることを強くおすすめします。
【知らないと損】10年落ちのトラックでも”驚きの高値”がつくワケ
「10年も乗った古いトラックなんて値段がつかないだろう」と思っていませんか。
実は、10年落ちや走行距離100万km超のギガでも、驚くほどの高値で売却できるケースは少なくありません。
- 高い耐久性が評価される海外需要
- 国内での再販価値と部品需要
- 高価買取されやすいギガの特徴
その背景には、日本の中古トラックを取り巻く特別な市場環境があります。
くわしく見ていきましょう。
高い耐久性が評価される海外需要
古いギガが高く売れる最大の理由は、海外での圧倒的な人気です。
特にアフリカや東南アジアなどの新興国では、日本の中古トラックは「壊れにくく高性能」として絶大な信頼を得ています 。
- ケニア、タンザニア、ザンビアなどで強い需要
- 悪路でも安定して走行できる耐久性が評価
- 燃費性能の良さも人気の理由
日本では過走行と見なされる車両でも、海外ではまだまだ現役で活躍できると評価されます。
この旺盛な海外需要が、中古ギガの価格を力強く下支えしているのです。
国内での再販価値と部品需要
もちろん、すべてのギガが海外へ輸出されるわけではありません。
国内でも、中古トラックやその部品には根強い需要が存在します。
- 走行可能な車両は中古車として国内で再販
- 走行不能な車両でも、部品単位で価値がある
- エンジンやミッションはリビルト品の材料になる
たとえ動かなくなったトラックでも、解体されて価値のある部品が取り出されます。
そのため、「廃車にするしかない」と思っていた車両でも、思わぬ価格で買い取ってもらえる可能性があるのです。
高価買取されやすいギガの特徴
同じ年式や走行距離のギガでも、車両の仕様によって買取価格は大きく変わります。
特定の装備や状態は、査定額を大幅にアップさせる要因となります。
- 2デフ(ツーデフ):悪路走破性が高く、ダンプなどで需要
- 車検が残っている:購入後すぐに使用できるため価値が高い
- ワンオーナー車:複数人が使用する車両より状態が良い傾向
これらの特徴を持つギガは、国内外で特に人気が高く、高価買取が期待できます。
ご自身のトラックが当てはまるか、一度確認してみるとよいでしょう。
いすゞ・ギガの中古を買うときの「注意点」
中古のギガは魅力的な選択肢ですが、購入時には慎重なチェックが不可欠です。
安さに惹かれて購入した結果、すぐに高額な修理が必要になっては元も子もありません。
- エンジンと下回りのチェックポイント
- 走行距離と修復歴の確認
- 書類(整備記録簿など)の重要性
ここでは、失敗しない中古ギガ選びのために、必ず確認すべき3つの注意点を解説します。
くわしく見ていきましょう。
エンジンと下回りのチェックポイント
中古トラック選びで最も重要なのは、心臓部であるエンジンの状態です 。
エンジンを始動させ、異音や異常な振動がないかを確認しましょう。
- マフラーからの排気ガスの色をチェック
- エンジンルーム内のオイル漏れや滲みの有無
- 荷台の四隅やフレームのサビの状態
排気ガスの色が白い場合はエンジン内部の摩耗、黒い場合は燃料噴射系の不調が疑われます 。
また、雪国で使用されていた車両は下回りのサビが進行している可能性が高いため、特に注意が必要です。
走行距離と修復歴の確認
走行距離と修復歴は、車両のコンディションを判断する上で基本的な情報です。
走行距離が極端に少ない場合は、メーターが改ざんされていないかも疑う必要があります。
- 年式と走行距離のバランスが取れているか
- 「修復歴あり」の車両は骨格部分を損傷している
- 修復歴車は安全性に問題がある可能性がある
「修復歴」とは、車の骨格にあたるフレームなどを修理した経歴のことです。
軽微な板金塗装とは異なり、安全性に大きく関わるため、修復歴のある車両は避けるのが賢明でしょう 。
書類(整備記録簿など)の重要性
車両の状態を客観的に証明するのが、整備記録簿などの書類です。
これらの書類がしっかり揃っているかは、そのトラックが大切に扱われてきたかの指標になります。
- 定期点検整備記録簿:過去のメンテナンス履歴がわかる
- 車検証:車両の基本情報を確認
- 自賠責保険証や自動車税納税証明書
特に定期点検整備記録簿は、オイル交換の頻度や消耗品の交換履歴など、重要な情報が満載です 。
口頭での説明だけでなく、必ず書類で裏付けを確認する習慣をつけましょう。
よくある質問|いすゞ・ギガは本当に「故障が多い」のか徹底調査
- トラックの故障ランキングは?
- 三菱ふそうは故障が多い?
- UDトラックスは故障が多い?
- スカニアは故障が多い?
- 国産の最強トラックメーカーは?
- 新型ギガの内装は狭い?乗り心地は悪い?
トラックの故障ランキングは?
トラック全体の故障発生件数では、電気装置が最も多くなっています。
次いでタイヤなどの走行装置、そしてエンジン本体と続きます 。
- 1位:電気装置(バッテリー、オルタネーターなど)
- 2位:走行装置(タイヤなど)
- 3位:エンジン本体
路上故障の原因として最も多いのはタイヤのトラブルで、高速道路では故障の半数以上を占めます 。
日頃からタイヤの空気圧や溝の深さをチェックすることが、トラブル防止につながります。
三菱ふそうは故障が多い?
三菱ふそうも、いすゞギガと同様にDPF関連のトラブルが指摘されることがあります 。
特に小型トラックのキャンターでは、DPFの詰まりやインジェクターの不具合に関する声が見られます。
- DPF関連のトラブル
- 警告灯が点灯しやすいとの指摘
- 過去にはリコールも発生
一方で、メルセデス・ベンツ製のパワフルなエンジンは高く評価されています 。
どのメーカーにも一長一短があり、用途やメンテナンス次第で評価は変わってきます。
UDトラックスは故障が多い?
UDトラックス、特に大型トラックのクオンは、一部の整備担当者やユーザーから「故障が多い」という声が聞かれます 。
ラジエーターやサブタンクからの水漏れ、センサー類のトラブルなどが具体例として挙げられています 。
- ラジエーターやセンサー類の故障事例
- エンジン音が大きいという評価も
- 一方で、ドライバーからは「乗りやすい」と好評
ただし、車両の個体差や使用状況によっても大きく左右されるため、一概にはいえません。
強力なエンジンとクラッチによる坂道での力強さなど、独自の強みも持っています 。
スカニアは故障が多い?
スウェーデンのメーカーであるスカニアなど、外車トラックは故障が多いというイメージが根強くあります。
実際に、センサー類やエアドライヤーの故障が頻発するという声は少なくありません 。
- センサーなどの部品代や修理費が高額になりがち
- 部品の取り寄せに時間がかかるケースも
- 一方で「新型は故障が少なく燃費も良い」という導入企業の声も
国産車に比べてディーラー網が少なく、部品供給に時間がかかる点が大きなデメリットです。
しかし、近年では信頼性も向上しており、デザインや性能に魅力を感じて導入する企業も増えています。
国産の最強トラックメーカーは?
「最強」の定義は人それぞれですが、安定性や信頼性を重視するなら日野自動車かいすゞ自動車が筆頭候補です。
国内シェアでもこの2社がトップを争っており、多くの運送会社から支持されています 。
- 安定性・信頼性:日野、いすゞ
- 初期費用:三菱ふそう
- 馬力・パワー:UDトラックス
初期費用を抑えたいなら三菱ふそう、坂道などでのパワーを求めるならUDトラックスという選択肢もあります 。
事業内容や何を重視するかによって最適なメーカーは異なります。
メーカー | 特徴 | 評判 | 国内シェア |
いすゞ | 静かで燃費の良いエンジン。値引き率が高い。 | DPDやスムーサーの故障が指摘されるが、総合的な満足度は高い。 | No.1 |
日野 | 耐久性が高く故障が少ない。エンジン馬力に定評。 | 信頼性が最も高いと評価されることが多い。価格は高め。 | No.2 |
三菱ふそう | パワフルなエンジン(ベンツ製)。車両価格が比較的安い。 | DPF関連のトラブルが指摘されることがある。 | |
UDトラックス | エンジンとクラッチが強力で坂道に強い。内装に高級感。 | 故障が多いとの声も聞かれる。エンジン音が大きい。 |
新型ギガの内装は狭い?乗り心地は悪い?
新型ギガの乗り心地や内装に関する評価は、ドライバーによって意見が分かれるところです。
「乗り心地が硬く、路面の凹凸を拾いやすい」という厳しい意見もあります 。
- 乗り心地:硬いと感じるドライバーもいる
- 内装:長距離ドライバー向けに快適性が重視されている
- 視界:車高が高く、広々としていて安全性が高い
一方で、室内空間は広々としており、収納スペースの充実や視認性の良いインパネなど、快適性を評価する声も多数あります 。
乗り心地の感じ方は個人差が大きいため、可能であれば試乗して確認するのが最も確実です。
まとめ|いすゞ・ギガは本当に「故障が多い」のか徹底調査
本記事では、いすゞギガの故障に関する評判の真相を多角的に調査しました。
- 評判の真相:「故障が多い」という評判はDPDやスムーサー等の特定箇所の弱点と多数のリコールが背景にあるが、市場シェアNo.1ゆえに問題が目立ちやすい側面もある。
- 主な故障:エンジン・DPD関連、トランスミッション、電子センサー類が中心。多くは適切な運転・メンテナンスで予防可能。
- 費用:DPF交換やミッション修理は高額だが、洗浄などの安価な対策も存在する。
- メンテナンス:正しいDPD手動再生の実施が故障予防と維持費削減の鍵。
- 中古市場:海外での高い需要に支えられ、10年落ち・多走行でも高値で取引される。
- 結論:いすゞギガは特定の弱点を抱えるが、基本性能は高く評価されている。弱点を理解し正しく付き合えば、コストパフォーマンスに優れたトラックである。
ギガは確かに特定の弱点を抱えていますが、それは現代の複雑化したトラックに共通する課題でもあります。
弱点を正しく理解し、適切なメンテナンスを行うことで、ギガはあなたのビジネスにとって最高のパートナーとなり得るでしょう。
もし、現在お乗りのギガの維持費にお悩みであったり、乗り換えを検討しているのであれば、一度その価値を確かめてみてはいかがでしょうか。
海外での旺盛な需要を背景に、あなたが思っている以上の高値がつくかもしれません。